内容説明
一枚の紙から折る繋がったままの千羽鶴“連鶴”。桑名藩に伝わるそれは家族の深い絆を意味していた。大政奉還に始まる動乱期を、親藩桑名藩士として生き抜く速見丈太郎は、商家の婿養子になり「藩を捨ててくれ」と言い残して失踪した弟栄之助を思い、連鶴を折る。信じる道は違えども、我らは兄と弟だと―幕末の激動が二人に見せた明日とは!? 感涙の歴史時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
34
大政奉還後、徳川家親藩の桑名藩では台頭する薩長軍に対して抗戦か恭順かで藩内は揺れていた。これはそうした動乱の波に翻弄される江戸藩邸の速水丈太郎、栄之助の兄弟愛を描いた物語。凄絶な坂本龍馬暗殺から幕を開けるプロローグからラストまで、節目節目に“連鶴(一枚の紙で何羽もの繋がった鶴をつくる折り紙技法)”がとても効果的に使われている。ちなみに十五代将軍、徳川慶喜には最優秀悪役賞を進呈したい。2021/12/03
katsu
1
新政府軍と旧幕府軍。確かにどちらが正しいというわけではないので、感情移入しにくい。のめり込むような面白さはなし。2020/10/30
かぷちーの
1
龍馬暗殺からはじまる物語 会津と共に戦った桑名藩 桑名藩が最後どんな道すじを行くのか見たかっただけどこれはそれぞれの信じるもののために 進む道は違っても連鶴のように繋がっているという 兄弟親子 夫婦の物語 読みなら「八重の桜」ではどう描かれていたっけ…容保の泣き顔しか浮かばない「西郷どん」では?きっと出てきてもちらっと? で 「燃えよ剣」をパラパラ とりあえず 桑名藩のこれからはなかなか大変だと思うけど 最後 丈太郎と栄之助兄弟がまた一緒にいられる事には良かったと思う2019/04/17
デンティスト
1
久しぶりの梶よう子の作品でした。幕末の桑名藩で激動の世を生きる丈太郎と栄之助の兄弟。う〜、ちょっと結末はどうかな。2019/01/20