内容説明
廻り髪結いの新次郎は切れ長の目だがきつい印象はない。細面で鼻筋が通り、眉も弓なりの優男風だ。人気の女形に似ているらしい。得意先の薬種屋・竹屋を訪ねると、主人は小町番付で娘のお鈴が東の小結になったのを無邪気に喜んでいた。ところが、お鈴は何者かに襲われ顔に傷を負ってしまう。番付が囚の凶行と考えた新次郎が真相を探るや、想像を超えた悪行が……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
52
新シリーズの始まり。歌舞伎の人気女形とそっくりな廻り髪結いの新次郎が主人公。彼の周りに集まる5人の男女。裏家業として番付屋をやっている。時代小説の中でお馴染みの料理番付、美人番付とかあるけど実は誰がどこで書いてるのかは秘密だというのを初めて知った。新次郎が番付屋を始めたきっかけは彼の過去にも由来するのだが、番付がきっかけで人が死に、店がつぶれる事件が多発。仲間たちが見せる粋な仕事ぶり。昼行燈の同心佐竹が本当は切れる?男だったり、なかなか面白い。謎を残したまま次巻へと。2019/03/27
真理そら
33
著者初めての文庫書下ろしシリーズ。回り髪結いの新次郎の裏の顔は番付屋。瓦版屋ががんばるシリーズは読んだことがあるけれど、番付屋とは珍しい。カバーイラストではなかなかのイケメン。新次郎の実家の謎が今後どうなるのか…新次郎が転がり込んだ「根津美」のおりんや可愛い美々ちゃん、昼行燈の定町廻り・佐竹他魅力的なキャラが多いので次作も楽しみだ。2019/02/15
TakaUP48
30
廻り髪結いの新次郎は優男で人気の女形・香玉に似ているという。得意先の薬種屋竹屋の娘・お鈴が”小町番付”で小結になり親子して喜んでいるさなか、何者かにお鈴が襲われ櫛をなくす事件が起きた。おりんの飯屋「根津美」の2階は、種取り・新次郎と小吉、筆耕・宝木十三郎、彫り・美々、摺り・伊勢蔵らの「番付屋」のアジト。幼なじみのお鈴、櫛職人の銀平と人気の女形・香玉。江戸留守居役の奥方たちの女形狂いと櫛が事件の鍵。それにしても、”馬鹿揃番付”で事件を明るみにするという手は新しい!ちと前のセンテンス・スプリング砲の炸裂か!2019/07/20
たんぽぽ
23
魅力的なシリーズが始まりましたね。 これからの展開に期待です。 映像化してほしいな!と、勝手にキャストを考えてます。2019/03/29
ひさか
21
2019年2月祥伝社文庫刊。書下ろし。シリーズ1作目。番付で世直し。新次郎の店に集まる仲間や、訪れるご隠居老武士なんかが、楽しい。事件を調べて、対応していく様が面白い。2020/07/24