内容説明
これが、AI社会が直面する最悪のシナリオなのか――人気経済小説家が描く、衝撃のサスペンス! 中学生の頃から悪さばかりしてきた、新谷凱。いつも行き当たりばったりの人生を送ってきた彼が、唯一興味を持てたもの――それは「人工知能」の世界だった。携帯電話会社でのアルバイトや電気機器メーカーでの企画開発などを経て、AIに携わる仕事に就いた凱。その企業で彼は、ある事件の捜査に協力することになる。その事件とは、自動運転技術が搭載された試験中の車が、人を轢いたというものだった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
209
個人的な関心事としては絶賛したいところだが、一般の読者には退屈かもしれない。今、自動運転の仕事をしており、まさに関連する部分を担当している。やろうと思えば同じ不正も出来る立場にいる。登場した手法は技術者の間で関心を引いていた事案で、学会では危険性も指摘されていたし論文も公開されていた。小説としては事件の核心に関係ない話にページをつかいすぎた気がするし、正直な話、とても上手い部類とはいえない。主人公の生い立ちや学生時代のエピソードも技術者としては個人的には楽しめたのだが。2019/07/11
starbro
206
幸田 真音は、新作中心に読んでいる作家です。単純なAIミステリかと思いきや、AI青春成長譚ややミステリでした。自動運転は今にも実現しそうな状況ですが、実際には課題が多く、まだかなり時間がかかるかも知れません。2019/04/02
Yunemo
60
久々の著者作品。このタイトルにしては序章が長すぎたのでは、との読了後の最初の想い。未来予測型エンタメと謳っている通り、いやそれ以上に極々近い未来という時間軸、このところAIに関する情報、またこれを素材にしたエンタメ多いですね。AI世代の凱の成長物語が序章、自動運転に生かす具体的人工知能の制御、ほぼ実現化が目に見えている世界、ここに焦点を絞って描いて欲しかったかな。少子化、人口減少を、ある意味好意的な捉え方をすることができる一つが、この世界かもしれないなんてことを漠然と想わせます。でもベースは人間の倫理観。2019/04/14
ナミのママ
56
まさにタイトルどおり、人工知能についてどっぷりと書かれています。分厚さとタイトルで「読みきれるかな?」と思いましたが読みやすかったです。新谷凱という主人公の中学時代から始まり、その生い立ち、キャラクターにハラハラしたり応援したり。そして凱が夢中になっていくAIの世界。自動運転の車が人に向かって暴走する事件も含め、楽しめました。2019/04/08
ren5000
54
題名から人工知能の暴走みたいな物語を想像してたけど主人公凱の成長物語で肩透かし。。いつになったら事件は起こるの?と思いながら読んでて起こったら中途半端な真相でううむでした。これなら事件はいらんから凱の成長とお仕事小説にした方が良かったんじゃないかな。2019/05/31