岩波新書<br> 生き方の不平等 - お互いさまの社会に向けて

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岩波新書
生き方の不平等 - お互いさまの社会に向けて

  • 著者名:白波瀬佐和子
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2019/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004312451

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内容説明

この日本社会で実際に選択できる「生き方」の間には,収入やジェンダー,年齢によって著しい不平等がある.子ども,若者,勤労者,高齢者というライフステージごとに,そうした不平等の実態とその原因について,数々のデータを用いて考える.そして,そこから脱却する道を「お互いさまの社会」の創造に見出してゆく.

目次

目  次

 序 章 不平等を語る
   不平等を語ること/選択の中の格差/未熟な政治と格差論/政権交代と見えない先行き/不平等と格差、そして貧困/個人と社会/個人の生き方と不平等
 第一章 ゆりかごが決める人の一生──子どもたちの不平等
   だれが子どもの福利を保障するのか/日本における子どもの貧困/子どものいる世帯と貧困/親を選べないということ/子どもの幸せは親の幸せ/わが子と他人の子/母子家庭に高い貧困率/教育機会の不平等と「家庭力」/始まりの時点の格差と教育/いまの社会に必要とされる子育て支援
 第二章 たまたまの勝ち組、たまたまの負け組──若者たちの格差
   人生途中の迷いのとき/不安定化する雇用市場/非正規雇用者とは/階層化する男性労働市場/若者たちの格差への注目/未婚の成人はだれと住んでいる?/成人未婚者の一人暮らし/結婚できるかは経済的な問題?/晩婚化の中の若年カップル/みなが親にパラサイトしているわけではない/年老いた親と同居する成人未婚者たち/親と息子・娘の関係/選択することの大変さ/寛容な社会をめざして
 第三章 稼ぐ人・世話する人の分かれ道──女の働き方・男の働き方
   女であること、男であること/女の働き方/分断された労働市場/職業の評価とジェンダー/管理職の女性/家計補助としての女性就労/少子化対策から見た女性就労/日本政府の少子化対策/ 「新たな少子化対策」の古さ/ 「少子化対策」から「子ども・子育て支援」へ/男の甲斐性/高学歴の女たち/高給の共働き、貧困ゆえの共働き/ジェンダーフリーの混同/男女ともに働き、生活する社会に向けて
 第四章 蓄積された不条理──高齢者たちの格差
   高齢であることとは/不平等が蓄積される高齢期/人口高齢化と所得格差の拡大/働く高齢者たち/格差の測り方/高齢者のいる世帯と格差/高齢者が生活する場の変化/高齢層の経済格差の変化/高齢者の一人暮らし/高齢社会の中の家族/三世代世帯にいる高齢者/これまでの生き方の反映/見えにくい格差としての地域差/世代を超えた社会連帯を求めて
 終 章 お互いさまの社会に向けて
   生き方の不平等/他者感覚と当事者/社会的想像力のすすめ/ 「たまたま」のチャンスと自己責任/見えないことに敏感になる/お互いさまの社会をめざして/お互いさまの関係をどう築くか──三つの提言
   あとがき
   参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

32
日本の社会保障のあり方を、さまざまな研究成果を踏まえて提言する新書。10年近く前の本著だが、その指摘は今も通じます。まず子供の機会不平等をなくすには母子家庭への支援。若者には余裕を持った仕事選びの時間の確保と、 失敗したときのリカバリー。そして、女性の労働力拡大のための男女間の待遇格差の是正。高齢者は世代内での格差をなくす努力‥‥。それぞれの段階に応じた政策や制度設計が求められている。「お互い様の社会」を構築するには、自分ごとに感じられる想像力、つまり国民の意識改革が最重要だと思う。2019/11/23

大島ちかり

14
子ども、高齢者、若者、男女、いろいろな不平等を挙げています。不平等がいけないのではなくて、生まれた環境によって、その時代によって人が人らしい生活が出来なくなるシステムは変えなければいけないと言っています。子どもたちに税金を払ってきた高齢者が貧困になること。未来を支える子どもが貧困になること。こうなる国のシステムは未熟です。2014/09/28

無識者

11
日本の社会保障制度はかなり硬直的で、社会の実態ついていけてない。ある特定のライフサイクルをぜんていにしており、そこから外れると大きな不利益を被りやすい。また機会の均等の面からいっても社会保障の制度が男女の役割を固定している面がある。著者は貧困をミクロな視点で捉えル必要性を訴える。2016/05/15

喪中の雨巫女。

9
生き方をなかなか変えれない。このままでは、好転しないのもわかるが、じゃあどうすれば、いいの。個人レベルの問題ではない。2010/11/05

sk

8
人生の選択肢が不条理に制限されて「生き方の不平等」が生じている現代日本への処方箋。面白かった。2019/08/18

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