小学館文庫<br> 白夜の警官~BLACKOUT~

個数:1
紙書籍版価格
¥847
  • 電子書籍
  • Reader

小学館文庫
白夜の警官~BLACKOUT~

  • ISBN:9784094064247

ファイル: /

内容説明

英国でドラマ化の人気シリーズ、第3弾!

アイスランド北部の町、ソイズアールクロークル近くの建設現場で、撲殺された男性の死体が発見された。
被害者は建設業者のエリアス・フレイソン。シグルフィヨルズルに住民登録をしていたため、アリ=ソウルが捜査に駆り出される。
慈善事業にも関わっていたというエリアスだが、自宅からは大金の入ったスポーツバッグが見つかり、同僚からは陰の仕事に手を染めていた可能性を耳打ちされる。
一方、首都レイキャヴィークのニュース編集室に勤める女性ジャーナリスト、イースルンがこの事件の調査のため北に向かう。エリアスの元妻によれば、被害者は金や女性関係に汚かったらしい。さらに捜査関係者は、エリアスが行っていた不正の先で、ある少女が命の危機に瀕していることをつかむ。
その頃、アリ=ソウルの同僚であるフリーヌルに、脅迫めいたメールがいくつも届いていた。ある過去を抱えていたフリーヌルは、精神的に追い詰められていく。
噴火の影響で火山灰雲が垂れ込めるアイスランドの、白夜の二日間――。
捜査の先に見えたのは、日の沈まない極北の町に隠された暗い記憶の数々だった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふう

93
「雪盲」に続く若い警官アリ₌ソウルの物語。警官といえども一人の人間。まちがいも失恋も家庭の問題もあるのはわかりますが、殺人事件の捜査と同時並行に悩み続けているのは、読んでいる方も心配で不安です。今野氏が『警察小説は入れ物』と言っていましたが、こんなにたくさんの問題が入っていると、読む方はちょっと疲れます。犯人逮捕に至るまで場面より、アリ₌ソウルが元恋人のデイト現場に突入する場面の方がハラハラしてしまいました。事件解決の幕引きがこれでいいのか考えさせられます。2019/10/18

のぶ

91
とてもキレのある小説だと感じた。舞台は他のシリーズ同様、アイスランド。小さな町の建設現場で、撲殺された男性の死体が発見された。被害者は建設業者で慈善活動家だったエリアス・フレイソン。署の警察官、アリ・ソウルは捜査にあたるが、次第に被害者は、慈善活動家とは別の顔を持っていたことが明らかになってくる。この著者の以前読んだ「雪盲」「極夜の警官」同様に、コンパクトな長さで話はシンプル。登場人物の複雑さもない、読みやすい作品だった。シリーズは順番に出てはいないようだけど、これからも追いかけていきたい作家だ。2019/03/23

ナミのママ

72
〈アリ=ソウルシリーズ〉2作目。前作から2年、新人警察官のアリも成長したかな?事件は男性の遺体発見から始まる。前半では関係者達の人間関係と並行して首都レイキャヴィークの女性ジャーナリストに焦点があたる。動き始めた第二部からが面白い。被害者はとんでもない奴だった。とはいえ別居した妻を引きずる署長、過去に絡む脅迫メールに心身をやられる同僚、彼女を忘れられず集中できないアリ、まったくなんて警察だ。国内作品でないから他人事で読んだけど。噴火した火山灰が町を汚染する様子はすさまじくてびっくり。前作より断然面白い。2024/01/20

キムチ27

59
巻末に有る・・≪生真面目そうな青年だが目が寂しそう、大切なものを失った❓≫ま、これが私を読みたい気にさせたんだけれど。でも、彼、大人しめでもなくって、「がぁ~」と殴りかかったりもする。今回の事件は超悪がやられ、その過去が暴かれて行くわけだが、サブストーリー的に、アリの同僚の過去も首をもたげて行く。捜査のあちこちで彼のやる気のなさが影を落とし、仲間の足を引っ張るが。署長トーマスも何やら曰くがあるし。「最も暗い夜は白夜の時期の夜」というフレーズはアイスランドでは夜となく昼となく人間性に影響をもたらす様だ。 2019/06/03

あさうみ

55
日本で発行三冊目だが、一巻目「雪盲」の続編にあたる。生活活動限界の北欧アイスランドの雰囲気が抜群。生まれながらに悪人はおらず、育つ環境や境遇で左右されるという作者の意図。犯行動機の落着の仕方がなんとも切なく、正義ではないと解っているが納得させられる。アリ=ソウル君、諦めきれない恋にぶれぶれ(笑)トーマス署長の気苦労をお察しします。2019/03/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13449153
  • ご注意事項