内容説明
『ギルガメシュ』『聖書』『千夜一夜物語』『紅楼夢』から、ボードレール、ニーチェ、カフカなど113篇。無限、予言、鏡、虎、迷宮といったモチーフも楽しい夢のアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
50
夢をテーマにした掌編になります。聖書、王の夢、ニーチェ、カフカなどモチーフも多岐にわたり、白昼夢を見ているような空気感があるように感じました。2023/06/02
しゅてふぁん
44
さすが夢の本、何度も何度も夢の世界へ誘われて読み終わるのに時間がかかった。『千夜一夜物語』からの断章が面白かった。いつか挑戦してみたい作品。ごく稀に孔子とか荘子とか中国の古典が出てきてホッとした!西洋の古典は聖書が分からないと厳しいなぁ、と改めて実感。読んでみないとな。2019/07/06
Shun
29
アルゼンチン生まれの作家ボルヘスによる編纂で、古今東西の”夢”にまつわる作品の一節や一文をまとめた夢のアンソロジーです。著者の幼少期はあらゆる書物に囲まれていたという環境から、古今東西の書物に親しみその知性を育んでいかれたようです。そんなボルヘスだからこそ、このアンソロジーは編まれたのでしょう。収められた作品群の引用は、古くは「ギルガメシュ叙事詩」から旧約聖書など、そして「千夜一夜物語」や、さらに東洋は中国の「荘子」等々、実にバリエーション豊か。大昔の人たちの夢を覗くという誘惑が詰まった夢の作品です。2020/02/01
拓也 ◆mOrYeBoQbw
26
アンソロジー。ボルヘスが夢に関する掌篇、短篇を集めた単独編纂のアンソロジーです。ギルガメッシュ神話から始まり創世記、旧約外典、ギリシア哲学から、本人や同輩のグルーサック、ルーマニアのエリアーデまで全て夢に関する作品が、1行の作から中篇のものまで113篇収められてます。ボルヘス・フリークにはお馴染みの作品も多いですが私が即買いだったのはベルトラン「夜のガスパール」(第三の書のみ)が収録されてた事。ラヴェルの「夜のガスパール」は好きなピアノ曲で、元の散文詩を一度も読んだ事が無く、初読が嬉しいです(・ω・)ノシ2019/03/02
そふぃあ
23
『紅楼夢』『列子』出典の小話が面白かった。夢にまつわる古今東西のアンソロジー。 「私(たち)は夢がつくられているものと同じものでできている」(シェイクスピア) 『伝奇集』の「円環の廃墟」は私も好き。2019/04/09