ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか

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ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか

  • ISBN:9784866470887

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内容説明

女らしさがつくられたものなら、男らしさは生まれつき?

男性、女性、すべての人のために。
フェミニズムが台頭する今だからこそ、「男らしさ」の意味も再考するとき。


自身も男の子の親である著者のギーザは、教育者や心理学者などの専門家、子どもを持つ親、そして男の子たち自身へのインタビューを含む広範なリサーチをもとに、マスキュリニティと男の子たちをとりまく問題を詳細に検討。
ジャーナリスト且つ等身大の母親が、現代のリアルな「男の子」に切り込む、明晰で爽快なノンフィクション。

〈目次〉
はじめに――今、男の子の育て方に何が起こっているのか?
1章 男の子らしさという名の牢獄――つくられるマスキュリニティ
2章 本当に「生まれつき」?――ジェンダーと性別の科学を考える
3章 男の子と友情――親密性の希求とホモフォビアの壁
4章 ボーイ・クライシス――学校教育から本当に取り残されているのは誰?
5章 「男」になれ――スポーツはいかにして男の子をつくりあげるのか
6章 ゲームボーイズ――男の子とポピュラーカルチャー
7章 男らしさの仮面を脱いで――男の子とセックスについて話すには
8章 終わりに――ボーイ・ボックスの外へ

帯推薦文:堀越英美(『女の子は本当にピンクが好きなのか』『不道徳お母さん講座』著者)


「女の子は生来的に数学が苦手だとか、月経周期のせいで優れたリーダーにはなれないという意見に対しては、批判と、豊富な証拠に根差した反論が向けられる。
しかし男の子と男性に関しては、私たちはいまだに、彼らの問題点も短所も、そして長所も、生物学的な結果なのだという考えにしがみついている。女らしさはつくられたものだが、男らしさは生まれつき、というわけだ」(本文より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

21
レズビアン家族として男の子を育てている著者が、他者加害的であり、有害なマスキュリニティを若い男の子たちが克服していくための課題と実践をレポートした本である。ジェンダー研究の学術的な見地と実体験をうまく織り交ぜているため、とても読みやすい内容になっている。マンボックス(伝統的な男らしさに結び付けられる考えや行動を描写する概念)というキーワードを軸に、暴力の加害者になり、また被害者にもなりやすい男性の問題に着目する。男性も悲しみや孤独といった情緒面を表現できるように自らを解放する必要があるという論点が面白い。2021/03/31

しゅん

15
自分は中高6年間男子校にいて、ホモソーシャル空間がなぜかとても苦手になったので、ここに書かれていることは実感としてよくわかる。アメリカにおいて、男性性と人種問題が絡み合っている場面が多く存在していることに気づかされた。2020/07/01

Schunag

13
いわゆる「アンチ・フェミ」を自認する男の子たちはこれを読むといいんじゃないかなあと思わされました。「男の子たち」のしんどさにフェミニズムの側からアプローチする一冊。ある種の女の子たちに「キモい」と嗤われたトラウマに苦しむ「非モテ」「陰キャ」(とラベリングされる)男の子たち──10代の僕もそのひとりでした──もまた、本書でいう「伝統的な男らしさ」の犠牲者であり、同じものの犠牲者である女の子たちと同じ場所に立てるはずだと思うので。2019/11/29

ハッカ飴

10
私が小さい頃から、「泣き虫」で「弱虫」であることを許されてきたのは自分が女だったからなのだ。少年がほんの小さな手を拳ににぎりしめて、傷ついた心や泣きたい気持ちをがまんしているってことに今更ながらきづかせてもらった。ジェンダーというとどうしても加害性の見えやすい女性側にたった見方が多くなってしまうけれど、少年たちの「男らしさ」「男性性」からの解放は両性がともに豊かに生きていかれることを保障することになるのだ、とほんとうにうんとかんがえさせられた。ふたりの孫・少年の行く先によりよい社会が広がりますように。2021/03/28

mimotomimoto

7
「男らしくあれ」という呪いをかけられる男の子、男性たちのつらさがよくわかった。「男らしくあるため」に、有害な男の子・男性になっていくのもわかった。フェミニズムは男の子の、男性の権利を奪うものではなく、「男らしくあれ」という呪いにかけられ苦しんでいる人を救う思想・活動でもある。一緒に闘おうよ、と心の底から思った。 男児を妊娠して不安がっている妹のためにと買ったけれど「育児本じゃないじゃん!」と言われて持ち帰ってきた。育児本ではないけれど、男の子を守るための本ではある。2019/05/01

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