内容説明
大震災と身近な人の死をきっかけに「詩と本当に出会い、人生が変わった」著者が、人にとって詩はなぜ必要か、心と体に効く「詩を読む・書く」意味とプロセスを若い人に向けてやさしく語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
170
自分を見失いそうなとき、詩によって自分に戻ってこられる。掬いあげてくれる。心の底に探していた言葉が注がれると清らかな幸福に沁みる。贈り物を届けるように、詩がこの世に生まれる。自らのため、他者のために、言葉は姿を変える。自由とは自らに由ること。自分の深みに触れること。人は皆、生まれながらにして詩人。過去の自分は内なる他者、未来は自分への手紙である。書き記すことで「わたし」の詩になる。目で読むのは頭、写すのは手。手を動かすことで、こころに言葉を摂り入れるという感覚の大切さ。清らかに流れゆく言葉に包まれる本書。2024/08/09
ちゃちゃ
113
ぼんやりと霧がかかったような内なる「コトバ(こころの声)」は、「言葉」として表出することで、明確な輪郭と韻律をもって私たちの前に立ち現れる。これが、私の心に準備されていた「コトバ」なのか…。その出会いは少しばかりの戸惑いと感動を運んでくる。心の中にある「切なるもの」が詩になるのだと、若松さんは言う。そういえば私も母が亡くなったとき、溢れる「切なるもの」は、なぜか短歌の形で表れた。繰り返し歌に詠むことで、私は自らのグリーフケアをしていたのかもしれない。詩や歌には、そういう「力」が宿っているのだ。2020/07/31
ロビン
20
批評家・随筆家で詩人でもある著者が、中学生からの質問に答える形で「詩」がどんなものであるのか、どんな心構えで書いたらよいのかを説いた本。隠喩がどうとかいう技法を説くのではなく、「詩」というものの神秘や本質に触れるお話が多く、詩人ならではの素晴らしい内容だった。若松さんはやはり言葉に対する感覚が鋭敏で、自分なりの言葉の定義も持っておられる。自分も拙い詩を書くが、ここまで言葉にこだわれていないし、明晰な言語化もできていないと感じ、己の未熟を痛感した。詩は「真剣に書く」ことが大切であるとの言葉を胸に刻む。2023/12/01
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
20
【1回目】10日かけて読了。かけがえのない読書体験となった。若松さんの著作は、全編が一つの「詩」であるように思う。形式にこだわらず、言葉にしえない、しづらい「想い」をこそ、言葉に託す。それが詩であるのだと私は読んだ。であるならば、誰にでも詩は書けるし、むしろ書かれなければならないものだと思う。そう日を置かずに再読できるようでありたい。2019/04/18
なおみ703♪
18
一日中若松氏の著作をむさぼり読んで、ラストの書。中学生に向けてと思いきや、ものすごく内容が濃い。詩を書くことを主眼に置いているが、純粋に紹介されている詩が心を揺さぶる。私は詩集といえば谷川俊太郎ばかりだった。この本を読んで、中野重治、茨木のり子、石牟礼道子、原民喜、宮沢賢治…の作品も味わいたいと思った。詩との出会いは「邂逅」である。ある意味を持って出会う、運命的な出会いでもある。2021/10/16
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