内容説明
本が大好きな生命誌研究者が、幼少期から親しんだ児童文学のヒロインたちから「ふつうのおんなの子」という生きかたを取りだし、その視点から見えてくる世界と可能性について魅力たっぷりに語る自伝的エッセイ。 【本書に寄せられた推薦文】(中川李枝子さん)あなたもわたしも「ふつうのおんなの子」。力と自信がわいてくる、うれしい本です! (阿川佐和子さん)「シアワセってこのことよね!」この本を読みながら、いったい何度叫んだことだろう。
目次
私の中の「ふつうのおんなの子」
1『あしながおじさん』の女哲学者
2『長くつ下のピッピ』の自由な生きかた
3『やかまし村の子どもたち』のふつうを絵に描いたような日々
4おんなの子の戦争と平和
5少女時代に読んだ本
6『若草物語』の四人姉妹
7ケストナーと子どもの世界
8『モモ』の時間感覚
9『ハイジ』を取りかこむアルプスの自然
10『小公女』の語る力
11『赤毛のアン』を支える人々
12「虫めづる姫君」の観察眼
「ふつうのおんなの子」の未来に向かって
あとがき
主な参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
39
生きものと本が大好きな生命科学者が、幼少期から親しんだ児童文学のヒロインたちから「ふつうのおんなの子」という生きかたを取りだし、その視点から見えてくる世界と可能性について魅力たっぷりに語る自伝的エッセイ。「女の子」ではなく、「おんなの子」という表記にした理由。<「女」という文字には、現代社会の価値観が入っているような気がするのです。その典型が/ボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない。女になるんだ」と/私の中に自ずと生まれてくる「おんなの子がおんなの子である本質」を生かすことを求めているのです>と。⇒2021/05/30
ルピナスさん
20
「ふつうのおんなの子」に引っかかりましたが、標準化を目的とした表現ではありません。生命誌の研究第一人者であり、人間が地球の一部として謙虚な気持ちで平和的に生きることを大切に思う作者が、その実現のためには、子どもの頃備えていた、本質を問い、理不尽には屈せず、世間の価値観や評価よりも自分がよいと思うことをやる性質を良しとする「おんなの子」に戻ってみませんかと、嘗て親しんだ長靴下のピッピやモモなど、読書を通じて出会えるおんなの子を題材に提唱した本です。静かで控え目ながら説得力のある声。宝物の一冊に出会えました。2021/01/17
アセロラ
13
権力重視で人を蹴落としてゴールへまい進するのではなく、まわりの人にも目を向け自然の一部の生きものとして歩んでいく人のことを「おんなの子」と表現しています。性別でいう「女の子」とは異なり、高齢でも男性でも「おんなの子」は備わってるとのことです。そんな「おんなの子」の生き方を、名作の登場人物から解説しています。つまり、戦争や蹴落とし合いなどせず、穏やかに生きようという道徳的な感じです。ずっとその繰り返しです。人間の基準という人はいない、子どもは子どもとして生きる、悩むな考えよ、など印象的な言葉もありました。2019/05/24
Mc6ρ助
13
競争的には生きない。特に戦争はしない。日常の小さな事柄を楽しむ、などに集約されるのだが、それに共感するにしても、「ふつうのおんなの子」と何度も繰り返されると、アラ還の爺さまとしてはこ恥ずかしい。女性の方が人生を楽しむスベを心得ているとしても、この本の「ふつうのおんなの子」をすべて「ふつうの人間」に置換してもほとんど意味が通ってしまう「ふつうのおんなの子」とはいったい何者なのだろう。2018/12/03
すぱちゃん
9
著者は生物の染色体を調べ、その系統分類という難しい学問を通して生命誌というさらに大きな学問されている著名な学者さんですが、その彼女自身がふつうのおんなの子なんです。ふつうのおんなの子とは、男社会に媚びへつらうことなく、かと言ってかた意地はることなく、戦争を嫌い、おんなの子の知恵で良い関係を築いて行こうとしてます。ここで紹介されている児童書も映画やアニメ化されたものが多く、ふつうのおんなの子の要素を持ったふつうのおとこの子のわたしも馴染み深いものがあります。ナウシカ、久しぶりに引っ張り出して、読もうかな。2019/03/02
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