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内容説明
その生涯に二度「敗戦」の悲哀を味わった風雲児柴五郎―十歳のとき会津落城を、そして八十八歳のとき陸軍の最長老として大日本帝国の敗北を…。政治小説「佳人の奇遇」で文名を謳われた柴四朗を兄に持ち、北京篭城戦でその名を世界にとどろかせ、賊軍の出ながら大将にまで昇りつめた波瀾万丈の足跡を辿る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
41
4月末に「黄砂の籠城」を読み以前からの積読本からの救出を決意して漸く読了。文庫本ながら分厚く持ち運びには不向きで夕食後の一冊となる。会津落城の少年時代から詳しく書き起こされる。逆境の少年時代を乗り越えたからこそ北清事変を乗り切る気力を持てたのだろうが、勉強の機会を得ながらも勉強が嫌いで一時はその好機を捨てるようなことがあったことに柴大将も決して単なる「偉大な人」ではないことが判る。ともすれば逆境と怠惰になる己とにも戦いながら自らを作り上げていったのだ。努力と任務への責任感に感銘を受ける。2019/09/11
青江又八郎
6
このころの日本人たちは士官もインテリの義勇兵も農民や職人あがりの兵士たちも、なぜこのように勇敢で、沈着で、しかも明るかったか、うまく説明できない。明治人といっても、こういう外面的な所作や反応は、時代とともに変わりやすい。サムライの栄光は、すでに過去のものであった。しかし、まさに死滅した武士のモラルの残光が彼らを照らし、彼らの行動規範となっていた。非常のとき、人間は地金をあらわす。北京籠城の日本人たちは、ほとんど例外なく、同じように振舞った。 2018/05/27
Makoto
5
待望の文庫を読破。 古い映画「北京の55日」を観たきっかけで柴中佐を知り、ネットで調べたりしていたが、ちょうど会津ブームのタイミングで会津武士からの生い立ちお知り、より感動。 明治人を知り、日本男子として憧れまする。 昨年飼いはじめた柴犬に五郎と名前をつけましたw2013/04/15
レコバ
3
大政奉還からポツダム宣言受諾までを生き抜いた男の話。こそばゆいほど日本礼賛だが、西洋の色眼鏡の裏返しを割り引く必要があるだろう。2014/06/17
psi_x
3
非常に濃い人生だ。幼少期〜士官学校での大変な体験が強烈。なぜかは知らないけど自分もやらねばって気持ちになる。明治という時代の記録としてもとても良い。2014/02/17