所有と分配の人類学――エチオピア農村社会の土地と富をめぐる力学

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所有と分配の人類学――エチオピア農村社会の土地と富をめぐる力学

  • 著者名:松村圭一郎【著】
  • 価格 ¥5,060(本体¥4,600)
  • 世界思想社(2019/02発売)
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  • ISBN:9784790712947

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内容説明

人びとは、富をいかに分け与え、「自分のもの」として独占しているのか? エチオピアの農村社会を舞台に、「所有」という装置が、いかに生成・維持されているのか、緻密に描き出す。「私的所有」という命題へ人類学から挑戦するデビュー作。
第30回発展途上国研究奨励賞、第37回澁澤賞受賞。

目次

はじめに 「わたしのもの」のゆらぎ
凡例

序論
第1章 所有と分配の人類学
第2章 多民族化する農村社会

第I部 富をめぐる攻防
第3章 土地から生み出される富のゆくえ
第4章 富を動かす「おそれ」の力
第5章 分配の相互行為
第6章 所有と分配の力学

第II部 行為としての所有
第7章 土地の「利用」が「所有」をつくる
第8章 選ばれる分配関係
第9章 せめぎあう所有と分配

第III部 歴史が生み出す場の力
第10章 国家の所有と対峙する
第11章 国家の記憶と空間の再構築
第12章 歴史の力

結論
第13章 所有を支える力学


おわりに
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

31
エチオピアの大家さんにラジオを持っていかれてしまう、鮮やかな導入部。違和感から始める人類学。◉「わたしのものは、いったい誰のものなのだろうか? どこまでわたしのものでありうるのだろうか」自明のものとして近代社会を駆動してきた物語/虚構を省みる面白い博論。◉第一部は、村人の富をめぐるミクロな相互行為について。作物が消費・分配・売却される。お伽話のようにも聞こえるエピソードを重ねつつ、要所に既往文献を援用。権利や規則以外の縛りとして「おそれという感情が、富の平準化と権威の多元性をつなげている」と締めくくる。2020/09/19

アナクマ

29
第二・三部。商店に陳列した石鹸は売り物だが、売れ行き不振で自宅に保管し、妹にせがまれると非商品に変わった。◉著者はこの事例から、多層性のある豊かな場は自然に行為を起こし、モノの意味をずらす。そのコトがまた場を変質させたりもする。という相互的なプロセスを抽出する。「人びとの日常的な行為の蓄積された、さまざまな歴史が織り込まれた空間は、それ自体が人びとの行為を導く」◉当たり前のことのようだけど、著者が提唱する希望としての「ずらし」がここに萌芽している。ルールはあっても揺さぶれる、再構築ができるんだという希望。2020/09/20

soto

3
ずいぶん前に読んだが、印象に残っている本。「所有」という現代社会の最もベースとなっている概念のひとつも、はじめから当たり前に存在していた概念ではないということが、エチオピアでのフィールドワークを通じて実証されていく。細切れな実例を深め、それが持つ意味を大きな結論にもっていくまでの、ストーリーの構成が上手い。2016/11/16

kaikaikorokoro1

1
「わたし」は「わたしのもの」に対する排他的な決定権をもつ…それは1つの主張に過ぎないのではないか。「所有」に関する自分の概念が揺さぶられた。著者と同じような時代に東アフリカにいたことがあって、懐かしく感じた。2017/12/04

ユーザー名

1
ちょうおもしろい。2012/12/11

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