内容説明
アルキメデスに始まった「計算」の夢は、数学者の知のリレーを経てIT化された社会を生む――。2000年に及ぶ方程式の旅が、人類の歴史を変えた。現代の風景、それはスマホとともにある日常です。もはや現代人はインターネットとスマホなしの生活は考えられない状況に置かれています。電話、住所録、音楽・動画再生、写真・動画撮影、文書編集、表計算、……をマルチタスクでこなす魔法の箱――スマホの正体はコンピューターすなわち電子計算機です。現代人の日常を支えるスマホ、それは足し算という計算が支えているということです。この驚くべき世界を誰が予想したでしょうか(本書の「はじめに」より)。【本書の目次より】●はじめに ●第1章 足し算の風景 ●第2章 かけ算が足し算に変わるまで ●第3章 関・ベルヌーイの公式への道 ●第4章 人は足すことをやめない ●第5章 驚異の足し算「ゼータ関数」 ●第6章 そして、コンピューターが誕生する ●おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソーニャ
15
タイトルが面白そうなので読んだ。 足し算を軸にした数学の進化の話。 全体的に知らないことが色々あって面白い部分もあったが、やはり後半になってくると難しく流し気味に読んでしまった。ゼータ関数とかリーマン予想とか。微積の考え方をアルキメデスがすでに手に入れていたという話や、指数表記より対数表記にの方が先にできて三角関数のかけ算のために(航海のために)対数でかけ算を足し算にしてた話 、i^i=1/(e^π)^1/2(虚数の虚数乗が実数になる)、ラマヌジャンのπの公式に改良版があるという話が印象に残っている。2019/09/01
かさお
5
数学苦手だから、全部きちんと読んだ訳じゃないけど、すごく腑に落ちた記述を1つだけ。 「人生の折り返しの年齢を考える」と 「約18 歳、大学生は丁度人生の折り返しを過ぎた年齢です」え?早くない?→「小学生の時より大人の時の方が、1年が過ぎるのが早く感じる。人間にとって現在という時間の感じ方は、これまで生きてきた時間との比として感じている。」だって!ちゃんと公式まであるの。 なるほど、確かに年をとる度に1年が早い早いと言ってる気がする😅という事で、なんか、スッキリした。
乱読家 護る会支持!
4
アルキメデスから、超弦理論で使われるゼータ関数まで、数学史の本。小数点、三角関数、対数関数、指数関数、πの求め方、Σ、微分積分、、、ぐらいまでは読めたけどそっから先は未知の(大学で習ったのかもしれんけど)数学でよくわからん。 しかし、、、結構難解な本書。誰が読むのだろうか???誰向けに書かれたのだろうか???2019/04/03
naoto
3
内容はかなり高度になったけど、読みやすいは読みやすい。ゼータ関数ね…素数の話でリーマン予想とともに出てきたけど、ゼータ関数について勉強しないと…数学のできる人になりたいな。2019/07/19
タカオ
3
話がうまくてけっこう引き込まれた。が、オイラーが出てきたあたりから数式がぐんと難解になり、その数式の説明はほぼなく結論に飛んでしまうので、面白味はかなり減ってしまっている。ただ、数式を説明し始めると何冊分も紙幅が必要になるわけで、そこを割愛しなければならないのは仕方がない。しかし、ダイジェスト版とかで一頁にまとめて書いたところで、内容的にわかりやすくなっていたとは思えなかったので、そこは書き方をもうひと工夫してほしかった。2019/07/05