内容説明
真似からはじめよと説く「私の文章作法」、この世が「当人」と「他人」から成っていることを喝破した「当人論」など、現代のモラリスト、辛口のエッセイストとして定評ある著者が、世相万般にわたって偽りの正義と勝手気ままの横行する、当今の風潮を見事に斬る。鮮やかなレトリック、芳醇にして気骨ある文章が冴えわたる名エッセイ。簡明にして勁直、軽妙にして気骨稜々、さすが当代屈指の文章家!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
57
著者の書いた文章を読んでいると、どうしても頭の中に「偏屈老人」という言葉が浮かんでしまう。そしてそのような言葉が浮かぶ人が書いたものは何故か例外なく面白いのである。本書も世間が常識とするものに疑義を呈する、世の風潮に棹差すものが多く、ファンとしてはそれだけで嬉しくなってしまう。特に正義に関する所、当時はマスコミが振りかざす安っぽい正義に異を呈しているのだが、SNSで誰もが正義を安売りする現在においてもっと読まれるべきではないかと思ったりした。まあ難しい事は置いといて、読んでいると唯々痛快なんですけどね。2025/07/31
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