内容説明
2019年4月18日(木)に開幕する「島ぜんぶでおーきな祭 -第11回沖縄国際映画祭-」で上映されることが決定! 監督は大九明子氏。
この日記の書き手である「川嶋佳子」とは、シソンヌのじろうがコントで長年演じている40代独身女性。
「芸人が最もライブを見に行くコンビ」と称され、じろうと長谷川忍の卓越した演技力で知られるシソンヌは、2014年『キングオブコント』優勝者。ネタ作成を担当するじろうは「稀代のコント職人」として各界から注目を集めており、俳優としても活躍中です。人間の日常と悲哀を題材にしたシソンヌのコントの代表的登場人物の一人が「川嶋佳子」。平凡な中年女性が517日間コツコツと綴った日記から漂うのは、誰でも覚えのある人生の物悲しさ。そして、その悲しさを「乗り越える」のではなく「付き合っていく」姿が、人生の小さなヒントを示しています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikutan
82
読友さんのレビューに惹かれて読んでみた。"悲しみをいかに笑いに変えるか"がテーマの芸人シソンヌじろうさんが、川嶋佳子さんを演じて書かれたこの日記は、ユーモアのセンスがあって、言葉の選び方も洗練されていて、好感が持てる。ちょっと後ろ向きながら、優しくて真面目な佳子さん。家族も友だちの若林ちゃんのこともちゃんと大事にしていて、性格は穏やか。時々鋭い感性を見せてくれてはっとさせられる。私は月水金は奇数のイメージだよ(笑)岡本くんと幸せが続くといいね。続編も書いてほしいな。 2022/02/02
aquamarine
77
川嶋佳子は40代後半の独身女性。そんな彼女の日々を数行の日記形式で綴る。彼女は世間をすこし斜に構えて見て、淡々と日々を過ごす。日々を精力的に充実したものにしようとするのではなく、全てを受け入れて過ごすのだ。(でも恋愛経験は豊富らしい。)世間から見たら彼女は変わり者なのだろうか。所々にわかる!という日常が潜み、所々にハッとするような美しいフレーズが覗き、気づけば夢中になっていた。シソンヌのこのネタを知っているので、脳内ではカツラにワンピースのじろうさんが動くかと思っていたが、ちゃんと一人の女性だった。流石。2020/08/09
鱒子
75
男もすなる——というわけじゃないけど、いわば現代版土佐日記?シソンヌじろうさんが書いた、川嶋佳子さんの日記。じろうさん演じる佳子さんの姿が、わたしの脳内でフワッサヤッと揺れる。ほんのちょっぴりの悲しみと密やかな喜びと共に。なんだか佳子さんと会話している気分で読みました。え〜月水金は奇数だよぅ!なんて……2022/01/25
えんちゃん
64
悲しみを笑いに。この雰囲気すごく好き。40代後半。独身。事務職。お酒が好き。地味だけど意外と恋愛体質。そんな川嶋佳子さんの日記。切なくて可笑しくて、でもやっぱり切なくて。もしかしたら私もこんな人生あったかもって思う。何だか他人事じゃない。ほっとけない感じ。松雪泰子さんで既に映画化。声のイメージがぴったり。シソンヌじろうさん、続編書いて欲しいなあ。2022/02/20
ネギっ子gen
56
【降りてきた】著者がコントで演じてきた40代の独身女性・川嶋佳子による日記体小説。2015年刊。2020年映画化。「あとがき」より。<気が付いたらやっていた。/もしこの川嶋佳子というキャラクターが何かをきっかけに世間的に認知されることがあったら、この『降りてきた』という表現はいかにも神秘的で、僕という人間をよりミステリアスに演出しえくれる格好の言葉のように思える。しかし実際の僕の感覚としては『侵された』に近い。コントのキャラクターであったはずの川嶋佳子は徐々に僕の精神と肉体を侵略し僕の体を利用して>――⇒2024/10/02