角川書店単行本 4年8か月の激闘

著者名：手倉森誠【著者】

KADOKAWA（2019/02発売）

• ISBN：9784041073742

内容説明

リオ五輪では監督を務め、ロシアW杯にはコーチとして帯同した手倉森誠。４年８か月にわたる日本代表を背負った戦いは想像以上に苛烈なものだった。あの日「チームに留まる」と決めた、その真相と志とは。「非エリート指導者」による独占手記。


――ロシア・ワールドカップの直前に、ハリルさんから西野朗さんへ監督が代わった。ブラジル・ワールドカップ以降の４年間で二度も監督が交代したのは、日本サッカー界の歴史で初めてのことだ。

そのたびに、日本代表は揺れた。私自身の気持ちも、何度となく揺さぶられた。思い出は美化されるものだが、楽しいことより苦しいことのほうが多かった気がする。

３人の監督でもっとも長い時間を過ごしたハリルさんとは、時に意見をぶつけ合った。もう少し荒っぽい表現がふさわしいやり取りもあったが、それも、方法論の違いに過ぎない。「日本代表を強くしたい」
という気持ちは、ハリルさんも私も同じである。志が同じなら、最終的な着地点を見つけることはできる。

（略）この本を書いたのは、自分の経験を個人的な財産にしてはいけないと考えるからだ。リオ五輪代表監督として次世代の強化を任され、３人の日本代表監督のもとでコーチを務めた自分には、４年８か月の日々を広く伝える使命がある。「書きたい」ではなく、書き残さなければならないだろうと考えた。（「プロローグ」より）


＜目次＞
プロローグ
第１章　2014年１月～2015年12月
第２章　2016年１月
第３章　2016年２月～８月
第４章　2016年９月～2018年３月
第５章　2018年４月～７月
終章　東京五輪からカタール・ワールドカップへ、長崎から再び世界へ
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[こも 旧柏バカ一代]

ベガルタ仙台の指揮を取られてた時から、カンニングの竹山氏に似ているなと思っていた手倉森監督。日本代表のU21の監督をしていた時は勿体ないとも思っていたが、、コレを読んでたらかなり苦労されてだんだなと思ったが、、ハリル監督解任は謎のままか。でも、求めるレベルに日本の選手がなれなかった事が向こうの主張だと云うのは再認識出来た。そして、今は手倉森監督は長崎の監督をやっている。昨年はJ2で対戦したけど、、2試合とも勝ったな。オルンガが理不尽過ぎたw

2020/03/31

[たらお]

ロシアW杯直前に、ハリルホジッチ監督解任に揺れた日本代表、手倉森さんはコーチであった。そして、西野朗さんが監督になった後もコーチとして引き続き帯同している。この本は暴露本の類いでなく、コーチとして当時感じたことを今後の日本代表のサッカーに生かすために書いたと伝える。ハリルのことは悪く書いていないが、選手同士の競争を煽るだけでは難しかったことが伝わる。2022年カタールでのW杯。中堅国でもベスト4に入れる可能性もあるとして、次期監督はどんな人が、どんな戦術をつかい指揮していくのか楽しみである。

2019/08/17

[shinko0925]

ベガルタ仙台の躍進は勿論ですが、リオ五輪アジア予選で見せた大胆なローテーション起用は、これまでの日本代表監督の中でも特筆すべき名采配だったと思っています。フラットな4-4-2をベースとした堅実で粘り強い「柔軟性と割り切り」のサッカー、振り返ればその後の森保ジャパンにも通じるものがあると感じています。

2023/01/14

[masahiro1986]

図書館本。ざっくり読み。五輪代表監督、フル代表コーチと貴重な経験をしている手倉森監督の記録。いろいろな都合があったと思うが、駆け足気味の記録でもっと細かい所まで読みたかった。やはりアギーレ氏はもったいなかったな～というのハリルホジッチ氏は選手たちとの温度差はやはりあったのかな～という印象。

2020/12/13

[湘南☆浪漫【Rain Maker】]

ハリルホジッチが解任される行は生々しかった。 コーチにも知らされずに…っていうね。 リオ五輪に関しては、オーバーエイジの選択も難しいよね…。 いきなり一緒にプレーして上手く行くかというと、そう簡単な話でもない訳で。

2020/05/01