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内容説明
人工知能(AI)により予測のコストが格段に下がり、経済のルールが根本から書き換わりつつある。この激変期を勝ち抜くための競争戦略は? ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長)らが絶賛、AI研究の最前線・トロント大学の経済学者による超話題作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
91
最も重要なことは最初の方に書かれている。AIが駆動すると予測のコストが劇的に下がる。そこから予測の補完財の価値(データ)が高くなって...ウンタラカンタラと話は続いていく。本書はいい意味でも悪い意味でも冷や水をぶっかけることが得意な経済学者によって書かれている。AIが普及すると「〇〇が▲▲になるー!」と脊髄反射する人たちがいるかもしれないが、目を通しておくとポジショントークに振り回されなくて済むかもしれない。とりあえず第一部の第1章から6章まで読んでおけばOK。自分は客入りの少ない深夜のラーメン屋で読了。2019/05/06
Kentaro
23
人工知能(AI)の進歩が現在目覚ましいからといって、知能そのものが実現するわけではない。私たちに実際にもたらされるのは、知能の重要な構成要素のひとつである「予測」だ。いまでも予測は在庫管理や需要予測など、従来のタスクに使われ続けている。しかし最近の重要な傾向として、従来は予測と関係のなかった問題にも予測が使われるようになっている。買い物のプロセスでアマゾンのAIはあなたが購入したくなりそうな商品を予測して、オススメ商品として紹介する。AIが正確に予測する割合は全体の約5%。20回に1回購入するに過ぎない。2019/03/20
Hiroo Shimoda
10
AIは「予測マシン」と整理する。予測が高度化し、ヒトの役目は判断となると説く。しかし、極めて高度化した予測にAIによるレコメンドが付随した時、人は自らが判断していること自体を自覚しなくなるのではないだろうか。2020/02/08
Ryo
10
現在AIと呼ばれている物は、汎用人工知能ではなく「予測マシン」である。先ずこの抽象化が素晴らしい。振り返って見ると、我々の経済活動には常に「予測」がつきまとう。全ての行動は予測に基づいて計画され実行される。しかし、様々な研究が進むにつれて予測の不確実性が明確になって来ている。それは一重に人間が多くの変数を取り込んで予測出来ないという制約に基づく。しかし、予測マシンにはその制約がない。予測性能は格段に向上し、予測はコモディティ化していくが、その周辺活動は価値を増していく。AIの本質をついた素晴らしい本。2019/09/14
GASHOW
6
未来の話をすると鬼が笑う。予測には価値があり、太古の宗教は預言者とよばれた。日食が起こると責任をとらされ命を奪われた。資本主義社会では、成長して利益を与える予測が必要だ。成長予測が外れたら下方修正をするが、期待した結果とならないだけだ。グローバル経済は予測の世界になっている。AIは人間の我慢の限界をはるかに超えて、あらゆる情報の関わりから予測結果を導きだす。人間は、AIの予測無しには判断ができなくなっていく。こと予測に関してもコンピュータの計算結果を信頼する。偏見や差別をAIは拾うのがこれからの問題だ。2019/08/13