内容説明
トランプ政権発足で、アメリカの変質は決定的になりました。自由や民主、多様性を尊び、戦後の国際秩序を主導してきた超大国の約70年ぶりの内向き宣言。「米国第一」の旗を振り、保護貿易、移民制限、孤立主義にまい進するトランプ氏は、米国を世界の火薬庫に変えてしまいました。我々が知っていたアメリカはもう存在しないのです。
米国民がこの異端児に未来を託したのはなぜか。そこには建国から240年以上を経た人工国家の機能不全と、それに対する民衆の失望やいら立ちがあります。
(1)上位1%の富裕層が富全体の4割を握る
(2)白人の比率が今後30年間で5割を割る
(3)0.01%の大口献金者が政治を牛耳る
(4)実質200兆ドルの借金を次世代に残す
米国では経済、人種、政治、世代の上記の「4つの分断」が深刻化し、多くの低中所得層、白人層、被支配層、若年層が置き去りにされているのです。そんな国の形に絶望した中年白人の死亡率が上昇し、先進国でも異例の夢を持てぬ社会になりつつあります。
いまの米国はもはや「無限の未来」を謳歌できない。そんな置き去りにされた人々の怒りが爆発し、未曽有のポピュリズム旋風を吹かせたのです。
ギリシャ神話のパンドラの箱は、あらゆる災厄を解き放ちました。その最後には「エルピス(希望)」が残ったといいます。トランプという劇薬を投じた後の米国にエルピスは残るのでしょうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
27
日経新聞論説委員、元ワシントン支局長。19年著。近年の米国の様相をまとめてはいるが、新聞や雑誌の情報を読んでいれば、ほぼ誰もが知っている事ばかり。新刊として読む程ではなかった。2019/04/13
Kazuo Ebihara
0
著者は、2014〜18年の日経新聞ワシントン支局長。 広がる所得格差、白人対非白人の深まる溝、 少数支配層のための政治、世代間の不平等。 これら「4つの分断」が、 トランプ革命を引き起こしたと主張。 豊富なデータを基に自論を展開していますが、 数字の解釈が恣意的過ぎて、いまいち腑に落ちませんでした。 残念。2019/11/17
Shinjuro Ogino
0
トランプ政権を実現したポピュリズム台頭の背景として、経済(格差)、人種、政治(政党間)、世代の4つの分断を取り上げる。 世代間の分断で興味深かったのは、子が親の所得を上回る確率(AIM)は、1940年生れの92%から1984年生れは50%と低下していること(息子が父を上回るのは95%から41%と更に酷い)。 余談だが、米国の大学・大学院で日本語を学ぶ学生数が、西、仏、独語に次いで4位とのこと、不思議だ。 著者は、2020年大統領選は、トランプと対抗馬との間で醜悪なものになると予測。 世界の未来は暗い。2019/04/14
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