内容説明
俺はね、夢を見たことがないんです。新選組一番隊組長・沖田総司。江戸の一道場の塾頭だった若者は、時代の急流の中で京に上り、幕末随一の剣士となっていく。仲間と語らい、笑い、涙し、人を斬る。なぜ俺は人斬りなのか。自らに問いながら、沖田は最強の男――鬼の正体を探す。著者渾身の、沖田一代記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
52
文庫版にて再読。新選組一番隊組長沖田総司が追い求める"鬼"の正体とは。総司のどこか鬱屈した心証風景が今までの彼のイメージとは違い、新たな発見がある。著者の『夢の燈影 新選組無名録』を読んでおくと、話の流れが掴みやすく、またオーバーラップしているところが楽しめて良いかと。★★★★☆2020/06/22
けやき
38
新選組沖田総司の物語。剣にしか興味のなかった総司は幕末京都を生き、何を思い、何を得たのか? 死の際に去来した鬼の正体とは? 面白かったです。2020/05/09
ユメ
31
総司は夢を見たことがない。将来の夢も、眠る最中に見る夢も。総司の望みはただ剣を握り続け、近藤についてゆくことだけ。そんな感情の一部がぽっかりと欠落した総司は、新選組一番組頭として剣をふるううちにどう変わってゆくのか。総司が最初で最後に見た夢に、痛いほど胸を締めつけられた。彼の胸中で、自覚ないままずっと情熱は燃えていたのだ。総司の胸を焦がした、試衛館以来の仲間たちとの関係性の描き方がとてもよい。殊に、土方との複雑かつ特別な絆が印象深かった。仲間に囲まれて短い生涯を駆け抜けた総司。彼は決して孤独ではなかった。2019/07/22
KT1123
5
オーソドックスな新選組沖田総司視点の物語。オーソドックスな展開だけど、総司はけっこうモノ考えている(笑)2019/06/04
ワンモアニードユー
5
中盤くらいまでは、どうにも先人たちの新選組像を振り切れないと感じてました。正直、手を出したのも失敗かなというくらいに。芹沢の描き方は新しかったが、そこまで拘るほどの描写にもなってないと思い、ダラダラと読み進めました。しかし、創作部分の女性が出てきたころから、物語の厚みが一変。怒涛の展開のまま、怪我をした近藤との船旅部分が圧巻。そしてラストはまさに見事の一言。TV版新選組血風録が下敷きになってるようですが、このラストは従来の沖田物の最高峰と言える。やるなあ、小松エメル。2019/02/27
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