内容説明
名著『アインシュタインの宿題』を加筆修正し、ここに新書化! 「主なる神は老獪だが、意地悪じゃない」「世界が理解できるという事実こそ、ひとつの奇跡だ」「誰もが自分の時間の河を持っている」…アインシュタインの残した数々の言葉をモチーフに、相対性理論、ブラックホールから、量子力学、宇宙論までをやさしく解説。おもわず目からウロコが落ちる、世界でいちばん分かりやすい「アインシュタイン」本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
23
この本を読んで、改めて物理学を含む科学というのは、想像力が大切だと思った。アインシュタイン自身も、かなり空想的な、というかイメージ豊かに想像したのではないか。そうした想像(あるいは思考実験)から、新しい理論や世界観は生まれてくるように感じた。ミンコフスキーダイアグラムと世界線のところはほとんどSF。何だか世界観が揺すぶられるようだ。ほとんど数式無しで、でも図やイメージで相対性理論というものの基本的な考え方を理解させてくれる。時々出てくる数式は、突如難しくなるのでそこはパス。それでも、十分分かるのが凄い!2021/06/24
haruka
21
アインシュタインはどんな発想の転換をしたのか。kindle表紙帯に「…今度こそ…分かる!」とあって笑ってしまった。宇宙船の外から、高速で飛ぶ宇宙船の中の光時計を見る思考実験や、ローレンツ因子・高速で移動する宇宙船の相対的な効果の度合いなどは、具体的で分かりやすかった。でも、自分の理解不足もあるが、類書に比べると分かりにくいし面白くない。「一応、説明(エクスキューズ)しておくと」「セントラルドグマ(中心的教義)だった」なんて書き方に意味ある?そこは「説明」「中心的教義」だけで良くないか?と思ったり…2024/03/16
Bartleby
13
特殊/一般相対性理論入門書はだいぶ読んだがこれは分かりやすい。知人の物理学者に薦めてもらった。たとえ初歩的な入門書でもプロは良書を知っている。相対性の導入、光速度不変の原理、特殊相対論、光量子仮説、光円錐、重力と時間の遅れ、E=mc^2、曲面の幾何学、ブラックホール、膨張宇宙…と話は進む。アインシュタイン方程式を導き出す計算も載っている。文字式の計算とかピタゴラスの定理あたりまで知っていれば十分楽しめると思う。中高生の理科数学好きの人にもおすすめしたい。2022/11/04
猫丸
12
学部の授業では必修科目じゃなかったと思う。もちろん物理学科なら必修なんだろう。しかし学科を問わず勉強しておいたほうがよいのだろうな、相対論。いまでは「出来上がってしまった学問」だから、教科書は理路整然と最短ルートを駆け抜ける。それだと「動機」がつかめないんですね。「何でこんなこと考えるの?」の部分がないと納得ができない。そこを補う意味でこれは意外な良書に思える。難しい数学は出てこない。中学数学だけでローレンツ因子、シュバルツシルト半径を導出する部分などもあり、少年少女にもおすすめできる。2024/03/22
DEE
11
読んですぐに理解なんて不可能だけど、少なくとも読んでいて楽しい本であって欲しい。そんな希望をいい感じで叶えてくれる。 まぁ、またすぐに忘れてしまうんだけどね。2020/06/11