内容説明
ありふれた金属から金や銀を作り出そうとする錬金術。ニュートンすらその魅力に取り憑かれていたが、元素の概念が普及すると荒唐無稽だと退けられた。だが20世紀になると物理学者ラザフォードが「新しい錬金術」と称した物理学の進展によって、今では自在に元素の変換が可能になった。天動説、不可秤量物質、エーテル、自然発生説など、一度は否定され、別の視点から復活するトピックに注目して描かれる、もう一つの科学史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
24
テーマを4つに絞った科学史。前代のものがどう否定されていったのかという対比でストーリーが進んでいくので、理系でもなくこういうものに素養のない僕にも、理解できない箇所はあっても丁寧に読んでいけば興味深く読み進められる。アインシュタインの何が天才だったのかというくらいのことは肌感覚で理解できた。もちろん、蘇る錬金術と言ってもトンデモ本ではなく、いったん否定されたはずのアイデアや考え方が、形を変えて現代科学でも生きていたりするんですよ、面白いですね、というのがサブタイトルの趣旨。小説のような面白い読み物だった。2020/05/04
サケ太
12
かつて否定された物事が、時代とともに実現、照明可能となった。特に興味深いのは錬金術。確かに現代の科学であれば金の生成は可能ということは知っていたが、これを錬金術と繋げる発想はなかったので非常に新鮮。2024/08/18
目黒乱
12
科学の素養がないとけっこぅ難しい。科学の素養をつけたい。核兵器の核って原子核のことって知ってました? 情けないことに,私は知りませんでした。高校の理科で習う範囲くらいは知っておきたいし,とてもおもしろいと思うのだ。本の感想になってないが,大目に見てください。2020/05/02
ひー坊
11
正直、半分以上がちんぷんかんぷんだった。けどうっすら、なんとなーく流して読んで『ほー』となったけど、誰かに要約を伝えるのも無理。もっと簡単な本から始めれば良かった(笑)2024/03/29
しんこい
11
天動説が本当に死んだのは最近とか、質量のない物質、昔から人間いろいろ考えた説が一度は否定され、新たな知見が進むと別物としてよみがえる、科学といえど進み方は一直線じゃないと知る。SFでなじみのエーテルもでてくるし、アインシュタインの偉大さが単に相対性理論を考えただけでないというのがよくわかる。ラザフォードも同様。果たしてStap細胞にどんでん返しは起こるか。2018/10/06