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内容説明
ヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか? アカメガシワの新芽はどうして赤いのか? 百日紅はその名の通り100日咲きつづけるのか? ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか? 秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか? 見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
38
新書版だけれど、写真が多くて美しい。そして、知っているようで知らなかったことを分かり易く教えてもらえる。たとえば、名前だけ知っていたジャコウアゲハ。雄の成虫の黒い羽に浮き出る赤い斑紋、まるで花びらのような蛹など美しい。そんなに美しいのに、毒を持っているので捕食したものは中毒症状が出るのだそうな。そして、そのジャコウアゲハを真似て擬態する他の種類のアゲハたち。みんな生き延びて繁殖するための知恵を持っている。面白かった。誌友さん、ありがとう。2020/08/25
チャーリブ
25
季節ごとに身近な動植物の姿を分かりやすく興味深くまとめた観察記。カラー写真も見やすく動植物も私たちが普段目にするものばかりで、格好の自然観察の入門書。「春」編の「早春の江戸川で雑草観察」では、ヒメオドリコソウとホトケノザが取り上げられていた。どちらも越年草で早春にいち早く花を咲かせる。越年草は文字通り幼植物として越年するのだが、その葉を見ても著者はそれとは分からなかったという。その写真を見ると私もこの草なんだろうと思っていたものとよく似ていた。今度じっくりと見てみよう。○2022/02/10
アナーキー靴下
17
頭の中に散乱している生き物の知識を、身近な生活圏の範囲でまとめ直してくれるような観察記録書。季節ごとに章立てされ、一つの生き物につき2~4Pでまとめられている。写真もふんだんで、ポイント説明は矢印などの図示もありとてもわかりやすい。著者によるフィールド観察の記録もあり、発刊まで15~16年の年月を要したとのこと。個人的には、初めて知ったシモバシラ(シソ科)や、モズの早にえ写真が6種類も載っていてワクワクした。見て楽しむ観察だけでなく、自然に触れたくなるような本だった。2020/09/02
yamakujira
8
「春」「初夏」「夏」「秋」「冬」の5章で45話、身近な自然を見る目を教えてくれる。カタクリやジャコウアゲハ、アオバト、ドングリ、シモバシラなど知ってることも多いけれど、あらためて観察の視点を学べるし、メジロの舌の構造とかツル植物の上昇方法とか、ツユクサの花の種類、タイヌビエの戦略など詳しく知らないことも勉強できる。カラー写真が豊富だからわかりやすく、眺めるだけでも楽しいね。越冬するオツネントンボに会って見てみたい、でも枝に擬態する写真を見せられると、とても見つけられる気がしないなぁ。 (★★★☆☆)2019/10/31
むん
8
面白い。山歩きをしている僕にとって、この本は普段目にしている物事の理由やその理由に迫るアプローチ方法を教えてくれた。ホシガラスやチョウトンボなど、年に1回見るかどうかの生き物の話よりも、年中目にしているサルスベリやメジロ、アカメガシワの話が記憶に残った。唐沢孝一さんの本を初めて読んだが、これからも唐沢さんの本を捜して読もうと思う。2018/07/20