中公新書<br> ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実

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中公新書
ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実

  • 著者名:澁谷智子【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2019/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121024886

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内容説明

ヤングケアラーとは、家族の介護を行う一八歳未満の子どもを指す。超高齢社会を迎え、介護を担う若い層も増えているが、その影響は彼らの学業や日常生活にも及んでいる。本書はヤングケアラーの現状について、調査データ、当事者の声、海外の事例、現在の取り組みを紹介。周囲に相談できず孤立したり、進路の選択を左右されたりする状況といかに向き合うべきかを考える。人口減少時代の家族のあり方とケアの今後を問う一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ykmmr (^_^)

137
最近、知られるようになったこの言葉。様々な状況で、若いうちから、親の『面倒』を見たり、『介護』をしないといけない環境に陥る。たまに見るけど、勿論優しいがあり、頑張っていてそれは良いのだが、この本に書いてある通り、引きこもり状態になり、自分の『意思』についての関心が薄いのだけど、それを超えて、『達観』という次元に変わり、「自分はこの運命だから、仕方ない。」と思っている面がある。しかし、『介護』で青春・若い時代を終わらせるのが、不憫で仕方ない。2022/04/07

Tsuyoshi

70
「ヤングケアラー」と呼ばれる18歳以下で親や兄弟の介護に関わる人々。若くして介護に追われる事でマルチタスクや思いやりなど精神的な成長を得られるメリットはあるものの、それ以上に介護に時間を取られる事での将来の機会損失や精神的・経済的な負担などデメリットが大きいと主張してあり、その対策として先進的な諸外国の実例を交えながらバランスよく介護に当たれるようなフォロー体制整備の必要性を提唱してあった。決して他人事ではない事だけに大変興味深く、勉強になる内容だった。2018/08/28

佐島楓

70
ヤングケアラー(若年介護者)についての本。日本の問題は、介護が「家庭内での個人的な問題」であり、「家族が行うのが当然」と思われている点にあると常々思っていたのだが、それに加えてこの本では、当事者の「同年代の生徒・学生と関係を構築しにくいつらさ」など、生の声も紹介されており、問題の質がより理解できるようになっている。場合によってはどなたでもこの状況に陥ることはあるだろうに、実体はまだほとんど知られていない。もっと若年層に寛容で協力的な社会になってほしい。2018/05/24

どんぐり

68
ヤングケアラーは、「家族にケアを要する人がいるために、家事や家族の世話などを行っている18歳未満の子ども」をいう。母親が病気で、小学生のきょうだいが年下の子の保育園の送迎をしていたケース、ひとり親家庭などで大人に余裕がなくなり、介護やケアに動員されるケースなど、学校生活で欠席、遅刻、学力がふるわない生徒のなかにそういったヤングケアラーがいる可能性が高いことが指摘されている。ただし、その実態は十分に把握しきれていないのが現実だろう。本書によって、ヤングケアラーについての社会の認識が深まることを期待したい。2018/11/01

こばまり

60
今後更にクローズアップされるべきテーマであると思う。本研究然り、福祉に関する先駆はやはりイギリスだ。さすがベヴァリッジ報告の国だと感心する。「今はこれで精一杯」という筆者の情熱と知見が詰まっていて、これぞ新書の魅力とも思う。2019/02/13

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