内容説明
越後岩船藩の江戸中屋敷に新蔵は疾(はし)る。十歳の志保姫を国許に連れ戻すために。街道筋には見張りがいる。巡礼の親子に扮し、旅が始まった。逃走劇の根底には江戸表と国許の確執があった。間道を選んで進む道中に追っ手は翻弄される。ところが新たな追っ手が行手を阻み、山火事が迫る中、強敵との死闘が待つ。姫を連れて戻れるのか? 冒険小説の旗手シミタツならではの痛快時代エンタメ長篇!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
73
久しぶりのシミタツ。カバーイラストが卯月みゆき先生の手に成るものと知り買い求めました。『青に候』を読んだのがおよそ10年前。ずいぶんご無沙汰でした。最近は時代小説を書いていらっしゃるのですね。志水氏はいろいろなものが書ける作家ですね。『青に候』はハードボイルド・タッチ時代小説でしたが、今作は冒険エンタメ系。シミタツ節は影を潜めていますけれど、これはこれでおもしろい。逃走と追跡の緊迫感で一気読みさせます。2019/04/13
アオヤマ君
16
楽しめましたー疾れ!新蔵。新蔵がボディガードとなって、江戸にいる幼い姫君を国許へと連れ戻す…っていうストーリー。追手もいる。駕籠かきは仲間?謎の女登場。敵役も登場。巻頭には古地図もついてる、登場人紹介が欲しかったかな。謎もあるけどそれは本筋ではないような。とりあえず、逃避行。新蔵とその仲間たち、場面場面で人間味のある展開。不思議な出会い。時々、抒情のある台詞。深く考えず、まさに疾るように読む。なんかよかったなの余韻あり。新蔵、次は唐へ。読むよ。2026/01/04
pulp
8
たぶん10年振りくらいのシミタツ。このシリーズの新刊が少し気になったので一作目を読む。追っ手ををかわしながら幼い姫君を江戸から国元まで連れ帰る道中物。読む前は、時代劇の皮をかぶったハードボイルド「ああ、また『深プラ』やるつもりか」、と思ったらそうじゃなかった。主人公は若くて(良い意味で)青臭い。道中を共にする駕籠かきコンビ、謎の女などキャラもよし。サブストーリーの必要性がよくわからなかったり、「蓬萊屋」のほうが好みではあるものの、気持ちよく読めた。なにより解説が北上次郎氏だったのには泣いた(大げさ)。2026/05/19
NICK6
8
蓬莱屋帳外控シリーズでは飛脚、同じ地点間移動で、険しい山に峠に森に、相手騙す逃亡劇。険しい道筋の選択なしには捕まる。飛脚同様に地理把握と相手の裏かく技量の発揮が素晴らしいディテール。緊迫時はお馴染みシミタツ節冴える。状況次第では殺戮止む無しの追手。お家騒動の図式自体に疑い持つ追手。系統違う追手が複数にて思惑も私感も明らかな違い。終盤ピークには逃亡者への睥睨、闇のからの注視、シャープな視点の交差が鋭く飛翔。さて。表紙絵の姫様、幼年さは皆無、賢く優しい。道中同伴する味方も悪役もキャラ濃厚。素晴らしい冒険譚 2025/01/18
たーくん
6
十歳の姫は道中、誰をも魅了する。姫を伴って国元に赴く新蔵の旅は成就するのか?追っ手を巻いて街道を抜けてゆけるか、新蔵の智恵と力が試される。手に汗握る逃走劇でもあり、小藩の内情から、当時の江戸表と国許派の確執のゆくえなどリアルな時代小説!「さすがはシミタツ、次々に登場する脇役たちのさまざまなドラマもたっぷり読ませてあきない。すてきなラストまで一気読みの傑作だ。北上次郎氏(日刊ゲンダイ)2024/09/18
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