内容説明
時代に理解されぬまま時代を征服した織田信長。大人の賢しらさを憎み、悪評を物ともせず、合理主義に徹した少年が、長じて東の大国・今川を迎え撃つにいたる27歳までを描く。戦後7年を経た1952年に夕刊紙「新大阪」に連載した歴史長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
若かりし時の信長を描いています。孤独な面をも地ながら洒脱て剽軽に思える部分もある信長に今まで感じなかった魅力を感じました。2025/06/19
天使の奇跡
2
信長の若い頃の話、始めて読んだ。最初からいわゆるエリートコースを歩んできたのかと思ってたら違ってた。先のことまで考えて行動していたのが凄い。濃姫はかわいそうでしたけど、結果はよかったのかもです。信長の終わりが、本能寺でなく桶狭間なのが、なぜかいいと思った❗2019/11/28
くす
1
図書館にて。桶狭間の戦いの終わりまでを描いている。子供の頃読んだ学習マンガのような、うつけが老中の自害にショックを受けて改心して才能が開花したといった物語でなく、常に死との隣り合わせ、伝統に縛られた家来、父の死と老中らの思惑など様々な要素が渦巻く中で、英雄というよりもより人間臭い信長の姿を感じた。合理性を重視したサイコパスな部分も描いているが、いつ死ぬかわからない中で殿として生きる状況ではそうなるのも頷ける。作者のことば、「良い家来は少くないが、良い友人は一人もいない」は作者の信長観を端的に表している2021/02/14
Mori
1
信長の幼少期から桶狭間までを描いた歴史小説。 口語主体で、時代劇口調だが坂口安吾独特の言い回しが小気味いい。たくさん人物が出てくるが人物それぞれの造形、キャラ付けが良くて、生き生きとした人達を思い浮かべながら読めました。2020/02/14
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