- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
羽田や成田を使用する民間機は、常に急上昇や迂回を強いられている。米軍のための巨大な空域を避けるためだ。主権国家の空を外国に制限されるのはなぜなのか。密室で決められる知られざる法体系を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
22
「横田空域」には、実は国内法上の法的根拠は何もない。日本における米軍の権利など法的地位を定めた日米地位協定にも、何ら明文の規定もない。ただ日米合同委員会という密室の協議機関の合意にもとづくだけなのである。日米合同委員会では、日本側は全て文官だが、アメリカ側は在日アメリカ大使館公使を除いて、全て軍人である。そのため、アメリカ側は常に軍人の立場から、あらゆる軍事活動を円滑に進めることを最優先する。米軍優位の日米地位協定を土台にして協議する以上、ほとんどがアメリカ側の要求が通り、米軍に有利な合意が結ばれている。2019/03/20
ophiuchi
18
首都上空の管制権が米軍にあることは、かなり前から知っていたが、実情は思った以上に酷い。これを読んで日本が独立国であると思える人は、なかなか素敵な頭脳の持ち主だと思う。2019/05/29
はるわか
16
横田空域と日米合同委員会は米軍優位の不平等な日米安保・地位協定の象徴。横田空域は東京、神奈川、埼玉、群馬、栃木、福島、長野、山梨、静岡の一都九県の上空を覆う、横田基地の米軍が航空管制を握る巨大な空の壁。そのため民間機は定期便を設定できず迂回を強いられている。また米軍は横田空域を低空飛行、対地攻撃訓練、パラシュート降下訓練などにフル活用。日米合同会議の合意文書や議事録は原則非公開で、合意は国会の承認不要とされ、日米両政府を拘束する巨大な効力を持つ。米軍を規制できるドイツ・イタリアとできない日本。2019/05/08
C-biscuit
15
図書館で借りる。米軍の基地問題として、日本の負担が沖縄に偏重しているところであるが、都心にも米軍が支配している場所がある。特にこの本では横田基地とその空域にスポットが当てられている。最近はドローンでも場所によってあげられる高度など規制があるが、米軍以外の航空機が進入できないエリアがある。その範囲は1都8県にも及ぶ広大な範囲である。その横田空域のほか、岩国空域など日本には結構規制されているところが多い。ドイツやイタリアの事例もあり、日本の特殊性も際立つ。そういう意味では韓国の実態もレポートして欲しかった。2019/09/03
こも 零細企業営業
14
東京の上空にあるアメリカ軍が管轄してる空域。 それが横田空域。 日本の航空機はその空域を無断で通過出来ない、アメリカ軍に頼めば何とか通してもらえるかも知れない。 アメリカ本土で出来ない危険な訓練を日本では出来る。 住民がやめてくれと言っても無視出来る。 日本の空はアメリカ軍に占領されたまま。2019/06/30