君が代の歴史

個数:1
紙書籍版価格
¥924
  • 電子書籍
  • Reader

君が代の歴史

  • 著者名:山田孝雄【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2019/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065147399

ファイル: /

内容説明

国粋主義を唱道していた山田孝雄は敗戦の10年後、日本の国歌とされた歌について、真摯な論考を物していた。種々史料を繙き、あくまで歌としての変遷を古代から今代までたどる。古今和歌集に「よみ人しらず」として収められた一首が、どう引用され、変形し、受け入れられたのか、そしてあの節がいつどこで乗り、「国歌」となるに至ったのか――元号が改まるいまこそ確かめたい。(原本:宝文館出版、1956年)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

12
最後の「国学者」といわれた山田孝雄博士が1955年に刊行した本。国歌「君が代」がどのように誕生し、「国歌」になったのか簡潔・平易な文章でつづられている。君が代は「恋の歌」ではない。御祝いの時に歌う歌で、貴族から庶民まで歌われ、盆踊り唄として、ごぜの門付けとしても歌われていた。「君」は天皇だけではない。歌う時によって様々な対象者があり得た。これほど日本人に親しまれた歌だとは知らなかった。明治以降は「君」は天皇を指すのだろうが、それで何か問題あるのだろうか?イギリス国歌は「神よ女王陛下を守り給え」なのだ。2019/04/16

さとうしん

10
「君が代」は元来年寿を賀した歌であり、その対象は天皇に限ったものではなく、祝いの場での歌として近世まで連綿と受け継がれ、近代に入って「自然の勢い」により事実上の国歌としての地位を得たという主旨であるが、その主張通り「君が代」が原義をそう外さず伝承されてきたのならば、なぜこのような本が書かれなければならなかったのだろうか?解説で多少フォローはされているが、明治以後の「君が代」の展開にも触れられるべきであっただろう。2019/02/20

まると

9
君が代は歌えても、その意味と由来を語れる日本人はどれだけいるだろう。国歌としての是非を問う前に、まずは基本を知るべきと思い、手に取った。著者は国語学者の矜持を持って文献をあさり、古今和歌集に詠み人知らずとして編まれて以来、貴賤を問わず人口に膾炙してきたからこそ、国歌として生き残った旨、論じている。軍国主義の象徴的存在として利用された歴史には最後まで触れていない。文章はわかりやすく、一つの教養として読む価値はあると思う。陸軍が、君が代を差し置いて式典で奏でていたという「オーシャン」は一度聞いてみたいものだ。2020/05/31

のりたま

2
国文出身なのでこの本は学部のときに読んだが、オリンピックで国歌を耳にすることが増えたので再読。古くは古今集の賀の歌だということはよく言われるが、初句が「我君は」であり、「君が代は」が見られるのは和漢朗詠集白鶴帖断簡、古梓堂文庫本から…と言うのから始まって、異文のテキストを用例を引用しながら王道の考証、一般人の祝いの歌として俗謡にまで広がったことを明らかにする。後半は明治以後、国歌になった経緯について詳しい。国歌制定の建議に当たって琵琶歌蓬莱山から君が代を引用したことに、薩摩藩の影響があるのが興味深かった。2021/07/31

skr-shower

1
「君が代」の出典、古今和歌集とは聞いていたが、原型が「我が君」・首句に多く使用されている・言祝ぎの歌・薬師如来信仰のご詠歌等々、知らない事ばかり。「君」が天皇ではなく国民全体と考えれば、国歌でも良いけれど誰がゴーサインを出したのだろう?2019/03/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13449430
  • ご注意事項