内容説明
日本の安保法制施行、フランスの兵役復活論、スウェーデンの徴兵制再開……これらの動きは、軍国主義への回帰ではない。ポピュリズムが台頭する中で、国民の間に負担共有の精神を甦らせ、戦争を抑止するための試みである。カントの『永遠平和のために』を下敷きに、徴兵制の存在意義を問い直し、平和主義の強化を提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
115
図書館本。平和に関して考えがガラっとは言わないが考えさせられる内容。血のコストという言い方が生理的に受け付けないが、色々過去の事実を照らし合わせながら説いてました。2019/05/31
ころこ
32
紛争のメカニズムを考察したり、その抑止の社会制度を考察したりした途端に縁起でもないと「言挙げ」したことへの反発が起こる。日本は言霊の文化です。「徴兵」は戦前を思い起こさせる言葉ですが、『シビリアンの戦争』では、平和のためにこそ徴兵が有効であるという逆転が論じられました。ここでいう徴兵とは「アーキテクチャー」のことです。軍事忌避の平和主義者が価値観を共有してそうなフランス、スイス、スウェーデン、ノルウェーの「アーキテクチャー」を取り上げています。普遍的な価値の体現ではなく、その国ごとの地政学を鑑み、紆余曲折2019/03/09
なななな
16
徴兵制についてこれまで単純に賛成できなかったが、この本を読んで、色々考えさせられました。「血のコスト」というのは避けたい問題ですが、リアルな最近の世界環境をみると、自分ごととして悩まないといけませんね。2019/04/10
赤い熊熊
13
戦争を避けるためには徴兵制が有効。学校の平和教育とはとても相容れないエキセントリックや主張ではあるけれど、その理由は至ってシンプルで説得力がある。平和のためのお題目のように唱えられるシビリアンコントロールが実は危ういもの。自分が危険と向き合わないシビリアンが開戦の意思決定をすることの危険性。誤解されそうな本だけれど、著者が求めているものが平和であることは間違いない。2019/05/05
なかなか
12
多くの書評にあるとおり、副題の「徴兵制」の一語が刺激的な研究書。 「血のコスト」を我が事と考えない市民は必ずしも平和的ではなく、自分や家族が戦場に赴く可能性のある徴兵制を導入することにより、安直に戦争へ突き進む危険性を抑えようという提案。 戦争抑止の最後の砦としての平等な徴兵制の提示。 ポスト冷戦後の国際秩序の混乱、 カントの永遠平和、韓国・イスラエルの徴兵制など。 活字全部を追えるような素養のない僕としては、かっ飛ばし読み。2019/03/27
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