内容説明
亡くなった夫はいったい何者だったのか?
奇妙な小説の世界と現実の事件が共鳴する、折原ワールド全開の長篇ミステリー!
かつてDVによる離婚を経験した秋月雅代。
週末だけ同棲していた内縁の夫・十津根麻里夫が突然病死した。
葬式を出すために夫の身元を調べるが免許証も保険証もなく、勤務先をあたるが、そんな人物は存在しないと否定されてしまう。
数少ない遺品の中に大学ノートがあり、そこに記されていたのは『マリオネット』という奇妙な小説だった。
そこには、埼玉県北部のある町で連続少年失踪事件が起こり、死体を発見した中学三年の「僕」が犯人を追って謎の館を訪ねる冒険を描かれていた。
この小説に手掛かりがあると直感した彼女は、夫が何者なのかを探る旅を始める。
だが、彼女自身もストーカー化した前夫につきまとわれ、命の危険にさらされるのだった。
彼女と「僕」の並行する二つの物語が重なった時、事件は意外な展開を見せる!
解説・末國善己
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
74
内縁の夫に死なれた妻。ただ夫の名前も職業も全て架空のものだった。残された小説を頼りに真実を探しに出るが、小説に描かれていたのは連続少年失踪事件で…。という掴みは最高なのだけど、内容はいつもの折原一。どの登場人物も独特の論理によって行動するため、ミステリの最低条件である犯人当てをするのは不可能に近い。本書もラストに至って普通では考えられないゲームをするし、『侵入者』の再現劇並みにありえないな。現実と小説が交互に語られるという構成だけど、最後の方どちらかというとミステリというより幻想文学読んだ読後感しました。2021/09/30
かめりあうさぎ
30
かなり複雑な読了感。基本的には二者の目線が交互に進んでいくのですが、そのうち現実と夢の境界が曖昧になっていくというか、軽く酩酊状態になりました。ミステリとしては変化球過ぎで謎解きの爽快感が薄く、不思議な世界観を成り立たせるにも奥行きが足りない印象。個人的には微妙な作品でした。2019/05/07
ばんだねいっぺい
26
わかったような、わかんなかったような。話が進むにつれて、作中劇とメインだった物語の境が曖昧になり、最後には消失する。このクラクラするめまいのするような感覚がこの小説の持ち味なのだろう。 2020/02/02
坂城 弥生
26
この作家さんは散々読み手を振り回して、気持ち悪い読後感に持って行くのが得意なんだな。と感じた。今作も僕視点と、秋月さん視点が混ざり合って、ああ…という着地だった。2019/02/18
えみ
18
これでもかってくらい振り回された。頁が進むほどに正常な判断が出来なくなっていく小説。愛していた夫は全てが偽りだった。突然夫を亡くした雅代はこの衝撃的な事実を知らされる。彼は何者だったのか。本当の彼を知るため彼の遺した小説を読み始める。一方で「僕」の周囲で起きている連続少年失踪事件が並行して描かれている。雅代と僕の運命が交差する時、現実か虚構か自らが持っていた判断基準が揺らぐ。何とも雲を掴むような小説だった。これだという真実はあっという間に次の場面で消されてしまう。何となく弄ばれた気分で面白くない…。2019/02/21
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