文春文庫<br> フランダースの帽子

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文春文庫
フランダースの帽子

  • 著者名:長野まゆみ【著】
  • 価格 ¥713(本体¥649)
  • 文藝春秋(2019/02発売)
  • 真夏も楽しく!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/11)
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  • ISBN:9784167912246

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内容説明

あのころ知りあいのだれもがなにかしらのウソをついて暮らしていた――

長く潜伏したあとでひょっこり姿をあらわした、良く似た姉妹による巧妙なウソ。
郵便受けに届いた1枚の葉書が呼び起こした、弟との30年前の秘密。
「語りとは騙りのことである」とうそぶく読書会の主宰者。
賢治の童話やフランドル派の絵画に秘められた寓意。
そして、記憶を失った青年たちと、自らの物語に生きる老婦人たち――。

消えゆく記憶の彼方、不在の人物の輪郭から、おぼろげに浮かび上がる6つの物語。

解説・東直子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

79
不思議な感覚に陥りました。実在の場に繋がりつつも、不確かな「絆」が描かれています。人は皆、どこかで何かしらの嘘をついて暮らしていたのですね。おぼろげながら浮かび上がる物語が美しいです。2019/04/16

エドワード

40
ある日届いた今は亡き弟あての手紙が30年前の小学生の頃を呼び覚ます。年子の弟、塾で知り合った友達、壁に貼ったポンペイの写真。美術を学ぶ高校生の私が描いた「フランダースの帽子」、交流展で売れ、行先不明だった絵との数奇な再会。「かみのふね」読書会。雲の事務所という名の老人ホーム。誰もがつく何気ないウソ。ほんのちょっと自分を印象づけたくて脚色する、たわいもないウソ。最後にえっ?となる、懐かしく、ほろ苦い読書の快楽。外国の人名地名の妄想の遊び。うん、確かにそうだったな。カイロは神の思し召し、シャンゼリゼは極楽だ。2019/02/21

冬見

25
長野まゆみだからこそ成立する話だなあと思った。初期の幻想を軸にした物語から徐々に現実世界へ向かいながらも、物語にはなお幻想の空気が漂う。この人の持っている幻想の力はとても強くて、どんどんそちらへ引っ張られてしまう。いつもはそれで良い。そういう物語だから。けれどこの作品は、そうなんだろうな、とぼんやり納得させられかけた瞬間に、ぱちんとしゃぼん玉が弾けるように現実を見せてくる。驚いている間に幕は降り、やられた、と立ち尽くす。そうして笑ってしまう。わたしは、この人の見せるウソが大好きなのだ。2019/02/12

たけはる

16
「たくらみに満ちた短編集」ということで、誰かが誰かに成り代わっていたり、偽っていたりと、ちゃんと考えながら読まないと少し混乱しました(それこそが本書の醍醐味でもある)。作中では、「ノヴァスコシアの雲」が一番長野さんらしいなあとにんまり(オチが)。あの老婦人になら騙されてみたい。 「シャンゼリゼで」の読書会、参加してみたいなあ。2019/04/06

芙蓉

12
短編集。読んでいるうちにいつの間にか現実から1、2歩くらい離れたところに連れていかれる様な読後感「少年アリス」とか「あめふらし」「左近の桜」などよりは現実寄り(しかしこの現実は白昼夢なのかもしれない)2020/02/10

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