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内容説明
「仮想通貨は終わった……」
相場の暴落を機に、メディアには否定的な報道があふれかえった。
しかし、ビットコインをはじめとする暗号通貨は、本当にこのまま消えてなくなっていくのだろうか。
私たちは、まだ暗号通貨の本当の可能性に気づけていないのではないだろうか。
本書は、『多数決を疑う』『マーケットデザイン』などの著作をもつ著者が、経済学の視点から暗号通貨の思想・制度設計・通貨としての役割を詳細に論じる。本書のタイトルは暗号通貨と国家を「vs」で対置させている。だが暗号通貨は「反国家」ではない。暗号通貨は「非国家」。国家に過度に集中した力を世のなかに分散させていくものだ。
暗号通貨で社会はいかに変革するか。
本書は今起きていること、これから起きることを冷静に見通すための手助けとなる1冊である。
◎項目(抜粋)
危険なキャッシュレス
創造主(サトシ)は正体不明
通貨の本質とは何か?
徴税と暗号通貨
銀行預金のすごさ
国際送金とリップルXRP
P2Pの世界通貨
すべては巨人の肩の上に立つ
ビットコインとは何か マイニングの仕組み
多数決と正しい確率
ビザンチン将軍問題
管理者のいないコミュニティ
ネットワーク効果――調整ゲームと協調行動
若きヴィタリクの情熱
トークンによる資金調達
ノーベル賞学者の参入
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
76
坂井さんのわかりやすい説明によるビットコインの本でかなりこの分野の本を読んできた私にとっては有益なものでした。結構ちまたにあふれている同じ分野の本に比べると説明の仕方などがすっきりしている気がします。私もこのような説明の仕方を参考にしようと思いました。2019/04/18
さっとん
10
#ブロックチェーン 独特な語り口で、物語を語るように説明に入るので、読む人を選ぶかもしれない。ビットコインが世界を席巻すると戦争がなくなるという説は新鮮で面白いが、結局根本の問題の解決にはなっていないわけで(経済問題や覇権争い、宗教戦争など)、結局資産(どのような形であれ)を持っている人やグループの間で戦争は起こってしまうんじゃないの?と思うんだけど、どうなんだろう?2019/04/06
Miyako Hongo
10
仮想通貨の生まれた的背景から論理、展望まで。□技術的な原理はそこそこ知ってたので、社会的な意味が面白かった。国家から通貨を引っぺがせば、戦争がなくなる、って発想は目から鱗。たしかに戦費が出せなけりゃ戦争はできんわな(いやでも聖戦は残るかも)。あとイーサリアムって“デモクラティア”ってマンガに出てきた意思決定システムのバックボーンになり得るって理解で良いのかな(合意スピードは無視して)。□個人が何を考え何を買ったかは秘匿されるべき情報だと思ってるんで、支配者不在のこういう仕組みはとても魅力的に見える。 2019/03/22
ヤギ郎
7
暗号通貨(暗号資産)の仕組みと背景にある思想をわかりやすく説明した新書。筆者も述べているように、人文・社会科学分野の人たちもビットコインに関心を寄せている。暗号通貨には管理者といった第三者を排除したP2Pの世界観を描いている。技術の発達により、通貨の本質のみを持った究極な通貨を作り出すことができるかもしれない。後半では、著者の関心事項である投票システム(多数決)から暗号通貨を考える。参考文献に海外の文献を数多く参照している。まだ国内における暗号通貨の議論が十分に進んでいない証だろう。2022/06/28
Hatann
7
仮想通貨の仕組の説明は屡々端折られ気味となる。分散型のシステムを通じて多くの人に支えられる仕組であるが、多くの人が合理的に行動することを前提とする。合理的である限り「最終確定性がない」というビッドコインの特徴は負に働かない。非合理的に行動したときに「最終確定性がない」ことから生じる理屈上の問題も認識しておいた方がいい。しかし、「ほぼありえない」ことを問題視しすぎても本質を見失う。市場を拡大させたい業者的思考というと言い過ぎだろうか。この本は、理屈上の問題を少し指摘したうえで仮想通貨への期待を語ってくれる。2019/08/18
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