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内容説明
太平洋戦争のミステリー、栗田艦隊反転の謎に水木しげるが迫る! レイテ湾海戦を全7回で描いた力作「決戦レイテ湾」他、海の特攻の悲劇を描く「人間魚雷 回天」など、大迫力の貸本戦記漫画を当時の姿そのままに完全再現。色濃く残った戦争の記憶を、若き水木が語る幻の記事ページも必見! ★解説「哀惜のクロニスト」赤城毅(小説家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
30
この全集には執念を感じますが、同時に水木先生が持っていた戦争への感情は、生涯揺らがなかったんだな、ということがよくわかりました。戦記漫画を「負けたけど俺らは頑張ったんだ、美しく散ったんだ」で終わらせず、残された人たちがどのような人生を送ったのか、いかに死んだらオシマイ、なのかを淡々と記している。戦争は多くの命を散らし、その死を脚色する。でも…死んだらオシマイなのだ。2021/03/09
ぐうぐう
13
「少年戦記」を収録した『作戦シリーズ』、その下巻。一兵士の視点も盛り込みながら描いていた上巻に比べ、下巻は日本海軍の激闘を指揮官達を中心に描いている。「決戦レイテ湾」は、漫画というよりは絵物語のような硬質な絵柄で描かれている。結果、戦争そのものの激しさが、より伝わってくる。指揮官であろうが兵士であろうが、戦場で命を落としていった者に変わりなし。同じように戦争を経験した水木だからこその想いが込められた作品だ。2015/07/14
剛腕伝説
9
水木しげるの戦争物。2024/02/25
軍縮地球市民shinshin
8
1944年のレイテ沖海戦の続きものと、人間魚雷・回天の特攻を描いた作品を収録。特にレイテ沖海戦の描写は圧巻。戦艦や戦闘機、人物の描写も劇画タッチで迫力ある戦争漫画といえる。コマ割りは現在の漫画と比べると単純なものなのだが、ここまで描けるというのはやはり水木の実力だろう。最近のコマ割りの激しい漫画と比べるとその差は歴然だ。2015/07/13
大臣ぐサン
3
貸本漫画家時代水木しげる御大自らが責任編集した雑誌『少年戦記』。この雑誌の看板作品として連載された『作戦シリーズ』。その中で本巻におさめられているのは7回に渡って連載された『レイテ沖海戦』と、シリーズの最後を飾った『人間魚雷回天』である。大先生はかつて撃墜王坂井三郎に「戦記物は勝ち戦を描かないと売れない」と言われたそうだが、執拗にこの負け戦を描き続けた。何故か。その答えはこの漫画を読めばわかるはずだ。戦後70年、もはや戦後ではない。失われゆく戦争の記憶を我々は如何にして後世に伝えるべきか。2015/07/05