文春文庫<br> 日本人はどこから来たのか?

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文春文庫
日本人はどこから来たのか?

  • 著者名:海部陽介【著】
  • 価格 ¥764(本体¥695)
  • 文藝春秋(2019/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167912321

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内容説明

日本人の祖先は、どのようにこの列島に渡ってきたのか。この課題に徹底的な科学調査によって迫り、アフリカから日本までの「グレートジャーニー」の道筋を浮かび上がらせる。
従来の「人類の祖先は海岸沿いに移動した」という説によれば、日本人の祖先は太古、海面が低かった陸続きの時代に歩いて日本列島にやってきた、と考えられていた。この定説に疑問を抱いた、著者を中心とする「国立科学博物館人類史研究グループ」は、ユーラシア大陸全体より出土した遺跡のデータを集め、その年代と、そこより出土した人骨のDNAを、地図上に再現した。
その重層的な調査の結果見えてきたのが、日本人の祖先はユーラシア大陸の北と南、さまざまなルートをたどって日本にやってきた、という事実。そして最終的に「対馬ルート」「沖縄ルート」「北海道ルート」の三つの入り口から日本列島に到達したことが明らかになる。そのとき、対馬はすでに海峡であり、沖縄は列島であった。すなわち、最初の日本人は、歩いてではなく「航海」によってこの日本列島にやってきたのだ。
3万8000年前、われわれの祖先は、偶然の漂流によってではなく、強い意志を持った航海者として、日本列島に移住してきたのだ。
単行本が発行されたのち、著者を中心とする研究グループによってクラウドファウンデイングが立ち上げられた。当時の船を手作りし、黒潮に乗って沖縄の島から島へと航海する挑戦の様子は、NHKスペシャル「人類誕生」で取り上げられ大きな話題を呼んだ。2019年夏、いよいよ台湾から与那国島への、日本人誕生を再現する航海に挑む。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

103
人類(ホモ・サピエンス)の祖先は数百万年前にアフリカ大陸で生まれた。だがいつ、どのようにして日本に渡り、日本人の祖先となったのか?なかなか興味深いテーマである。様々なデータを示しながら、私のような門外漢にもわかりやすく説明してくれている。人類の日本列島への渡来は色々なルートがあるが、舟で航海し日本に渡って来た説が有力であるというのは驚いた。3万年以上も前にそんな既にそのような高い技術があったとは!また、氷河期のシベリアでも既に活動していたとは驚いた。日本人の祖先は冒険者であったのだ。★★★★2019/03/06

ゆいまある

92
日本人はどこから来たか。人類学者による検証。シベリアからの北ルート、朝鮮半島経由の対馬ルート、台湾から沖縄への南ルート。これらが縄文人の礎となり、その後弥生人が大陸から渡来。その後も渡来人が複雑に混じり合う。この本刊行後、筆者達は3万年前の技術で台湾から西表島に黒潮を越え船で渡り、自説が実現可能であることを立証。日本人と言っても多彩な人々が混じり合って成り立ったものであり、均一なものではない(これはどの国も同じ)。私は四国の人は絶対フィリピンと混じってると信じてるのだが言及無かったのが惜しまれる。2021/01/08

翔亀

46
【沖縄11】著者の前著「人類がたどってきた道」(2005)は、ホモサピエンスがアフリカからどのように全世界に拡散したかを丁寧に追い、遥か彼方の南米へ(2万年前)、太平洋の孤島へ(1000年前)と"移住"したのは、まさにホモサピエンスの能力(能力的には現在の人間と変わらないというのが著者の強調するところ)だからこそがなしえた人類史上最大の冒険だったことに感動を覚えた。本書は、そのアジア版だ。DNA分析など最新の成果も駆使しながら、しかしいままでの日本人起源論とは一線を画している。DNA分析だと科学的に↓2021/10/29

ぐっち

41
ホモ・サピエンスである日本人の祖先が、どうやって日本にやってきたかの話。この本では、3万数千年も昔に、海を渡ってやってきたという説で驚かされる。3万年前の航海プロジェクトが成功しますように。2019/05/18

piro

27
日本人のルーツはどこからやって来たのか、考古学的な裏付けを基にわかりやすく述べた一冊。朝鮮半島から九州北部、サハリンから北海道、そして台湾から琉球列島という3ルートが考えられていますが、まず日本に渡る前、東アジアに至るまでの「旅」が壮大で興味深い。台湾から与那国島に舟で渡る実証実験航海は今年いよいよ出発するそうで、是非とも無事に成功して欲しいものです。「民族」を巡る紛争が後を絶ちませんが、純粋な民族はなく、必ず他民族との混血が生じているという事実を踏まえると、紛争は全くナンセンスに感じられてきました。2019/04/29

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