内容説明
病に冒されたベストセラー作家に最期のインタビューをするライター、アルバイト先の常連の女子大生に恋をする大学生、公園で出会ったお姉さんから遠い国のお話を聞くのを楽しみにしている少女――彼らが好きになってしまった“あの人”はいつも自分ではない“誰か”を想っていた。三つの物語は時を越え、“ある人”の深い愛に結実する。あまりに切なく、震える純愛ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
181
三つの物語+ラストの最期のインタビュー(追記)で構成されている本書 最期のインタビュー 名前だけでも教えて 公園のお姫様 最期のインタビュー(追記) 読み終えて脱力しています。良い意味での脱力です。ひとつずつの話しは独立して読めますが最後に全ての物語が回収されて衝撃を味わえました。公園のお姫様辺りであれっ?と思ったらドドドーっとやられました。久しぶりに衝撃を感じました。ラストの最期のインタビュー(追記)では開いた口が塞がらない。しばし茫然としつつページを遡る事必至です。2019/10/31
nobby
171
前作『たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に 』の衝撃故に、何かあるだろうと疑心暗鬼での一気読み。80頁程の短編3つが並ぶが、どうにも人物や事柄など関係性が見いだせない…各話では余命少ない売れっ子作家・童貞の大学生・虐げられた少女達と人物像は全く違えど、想い人眺める様を描く。そこにある“純”は普通で、こそばゆかったり微笑ましくもあるものの正直心揺れることは無い…それが最終話残り10頁で閃いた哀しき予感が現実と重なると、あれもこれも繋がりだす!そして(追記)で知る真実は想像を遥かに越えられての驚愕再び!2019/01/03
アッシュ姉
106
青南さん七冊目。人気覆面作家から奇妙な依頼をされるライター、恋するファミレス店員、お姫さまの物語に夢中になる小学生。何の関係もなさそうな三つのストーリーが展開され、どう繋がるのか気になってぐいぐい読んでしまう。だんだんと輪郭が見えて、全体像が判明したとき「怖えぇ」と漏らしてしまった。ある少女~嘘つきな君にと比べるとインパクトは若干弱い気もするが、がーっと読めて最後にあっと驚ける楽しさがくせになる。何だろう何だろうと思いつつ、頭がちっとも回転してない私にはシンプルに驚けて、気分転換に楽しむにはもってこいだ。2019/09/13
Yunemo
97
なるほどねぇ。3編の物語、インタビュー、眼鏡ちゃん、公園のお姫さま、ここまで読んで、何となく冗長で、一体何が書きたかったの、という素朴な疑問と失敗したかなという想いを抱いたままに。まるでちぐはぐな場面と登場人物に苛立ちさえ覚えて。16ページの短い章、インタビュー追記に至って初めて驚愕、タイトルの意味を理解。それにしても3篇の物語が時を超え、錯綜する人物像として表現されるため、頭の中で整理がつかぬままに読了というのが正直な想い。ほんとに薄っぺらな若者の純愛と捉えた感じが、急展開する様を十二分に味わいました。2019/01/20
ちーたん
89
★★★☆☆『たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に』が面白かったので著者2冊目!ネタバレなしのレビューが非常に難しい1冊。こちらもジャンルは純愛ミステリとのこと。深くは語れない!とにかく最後まで読むと……わーぉな1冊!前知識なしで一気に読む事オススメ!それが本書の最大の楽しみ方であり、個人的にはそれが欠点でもあった気がします😅2019/12/02