内容説明
千住の遊女おりんは、昨夜も茶を引いた。岡っ引きの幸助が捕物でしくじり、来なかったからだ。このままでは、おりんは他所へ売り飛ばされる。焦る遣り手のおひろに、やる気のないおりん。そこに現れたのは……(「女郎花」より)。深くて暗くて絶対に埋まらない男女の溝。おひろは、それを少しでも埋めようとする。飯盛旅籠を舞台に、人生の機微を描いた傑作時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いぼいのしし
22
遊女を引退し千住で遣り手婆になったおひろの話。時系列はバラバラだけど春夏秋冬の花をモチーフにおひろの一生をたどり、遊郭だけじゃなくいろいろな話があっておもしろかった。読み終わって改めて一話目を読むと感慨深い。 2021/02/10
真理そら
21
〈大矢博子氏唸る〉という帯の謳い文句につられて、見たこともない作者の本を購入。飯盛旅籠が舞台の一種の色里モノ(色っぽい話ではないが)連作短編集的な読み方もできるし長編としても読める。大家の佐兵衛の善意やおよしの一見ごく普通の言葉に含まれる素人女の優越感やらが普通の人がまき散らす残酷さを感じさせる。『ご隠居さんシリーズ(野口卓)』に似た味わいがある。2019/01/11
デジ姫
9
長屋の駄菓子屋の婆さんが死んだ。弔問客がなんと30人以上!大家の佐兵衛は驚いた。ドラマで言えば最終話がいきなり冒頭に映し出され、2話目以降は30年前に戻り弔問客に絡む話が6話。初時代小説らしいけど切り口が面白い。主人公おひろの昔話、シリーズ化はされないのだろうか・・2019/02/28
舟華
6
構成の妙、うまい。長屋で駄菓子屋を営んでいたおひろ婆さんが亡くなった。簡単に葬儀を済ませたらいいと思っていた長屋の旦那さんだが、ふたを開けてみると30人もの弔問客が。はて、このおひろ婆さんとはいったいどんな人だったのか。そんなところから始まるものがたり。おひろの酸いも甘いも男と女の関係も少しずつ少しずつ明らかになっていく。不思議な読み応えだった。最終章のタイトルが秀逸。まさかこう来るとは…。2020/12/23
千日紅
4
内容(「BOOK」データベースより) 千住の遊女おりんは、昨夜も茶を挽いた。岡っ引きの幸助が捕物でしくじり、来なかったからだ。このままでは、おりんは他所へ売り飛ばされる。焦る遣り手のおひろに、やる気のないおりん。そこに現れたのは…(「女郎花」より)。深くて暗くて絶対に埋まらない男女の溝。おひろは、それを少しでも埋めようとする。飯盛旅籠を舞台に、人生の機微を描いた傑作時代小説。2020/05/18
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