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内容説明
水木しげる本人が責任編集を務めた『少年戦記』を中心に、貸本戦記漫画を集成。綿密な取材と自身の経験を基にした迫力の戦記漫画はもちろん、細かく描き込まれたイラスト集や、思わずニヤリとさせられる記事ページまで、全てのページに戦争への思いが込められた、水木しげる渾身の力作を完全再現!! ★解説「僕らオタクの偉大なる先駆者」宮脇修一(海洋堂社長)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
19
戦艦を中心とした戦記物をまとめた貸本戦記漫画集5巻。少年を対象とした戦記物に特有な、娯楽的ロマンを前面に押し出しながらも、史実に基づく作風の中で、戦艦ビスマルク沈没の際に少年兵の遺体を描くことを忘れず、あるいは若い命が無残にも特攻に散っていく憤りが作品を貫いていたりする。戦争そのものの愚かさ、水木しげるが戦記物を描く、その一番の動機は、水木の戦争体験が支えている。2016/03/04
軍縮地球市民shinshin
8
水木の貸本戦記漫画集も5冊目を数え、もうここらあたりが最終巻になるのではないだろうか。水木の戦記漫画は自らが実戦経験をもつ兵士であったことが根底にあると思う。戦争の醜悪な面をこれでもかと描いていることが印象的だ。そして史実に忠実に比較的描かれているのも特徴的で、当時の少年向き戦記漫画はヒーローが登場する荒唐無稽なものが多かったようだが、水木はそれらとは一線を画して、一貫して劇画タッチで戦争の悲哀を描いている。だから今日でも読むに耐える作品となっているのだろう。2016/03/07
剛腕伝説
6
水木しげるの戦争物。2024/02/25
千本通り
3
元々水木しげるさんの真骨頂は貸本漫画の時代であったと思っていて、「戦記物を描いている時は、やたらと描き遺しておきたいという、妙な気持ちに包まれている。最近でこそ記憶が薄れてきているけど、復員したころには鮮明な記憶があった。貸本まんがで戦記物を描くと、なぜか気が楽になったことがわかったもんで、あれは戦友たちの死者の魂が作用していたのかなと、今では思ったりしている」と語っている。 この本の内容は海軍の話ばかりで、著者のいたラバウルの話も出てこない。やはりまだ生々しくてそこは避けていたのではないか? 2023/11/15
teitowoaruku
2
戦争嫌いの水木しげるが敗戦から約15年を経て描いた海軍の戦記。デンマーク海峡海戦やルンガ沖野戦、第三次ソロモン海戦など。1950年代後半~1960年代には太平洋戦争の戦記が流行していたそうで、やたら提督がかっこよく描かれているのはそのためか2021/07/21