創元推理文庫<br> 櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選

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創元推理文庫
櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選

  • ISBN:9784488407216

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内容説明

神田明神下に住む、凄腕の岡っ引・銭形平次。投げ銭と卓越した推理力を武器にして、子分のガラッ八と共に、江戸で起こる不思議な事件に立ち向かっていく! 見せ世物小屋にて、水槽で泳ぐ美女ふたりのうちひとりが殺された謎を解く「人魚の死」。暗号が彫られた櫛をきっかけに殺人が起こる「櫛の文字」。評判の良い美人の妾が奉公した材木屋で、店を脅かす事態が発生する「小便組貞女」。世間を騒がす怪盗の意外な正体を暴く「鼬小僧の正体」。383編にも及ぶ捕物帳のスーパーヒーローの活躍譚から、ミステリに特化した17編を収録した決定版。【収録作】「振袖源太」「人肌地蔵」「人魚の死」「平次女難」「花見の仇討」「がらッ八手柄話」「女の足跡」「雪の夜」「槍の折れ」「生き葬い」「櫛の文字」「小便組貞女」「罠に落ちた女」「風呂場の秘密」「鼬小僧の正体」「三つの菓子」「猫の首環」/編者解説=末國善己

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

penguin-blue

29
「捕物帳」の中でも特に「銭形平次」を見ていた覚えはない。それなのに、この懐かしい感じは何だろう。岡っ引きゆえ、水戸のご老公や鬼平よりも庶民に近く、長屋の住人や商人の気持ちに通じ、故あって罪を犯した人のため時に手柄を捨てて真実を飲み込むこともあるが、町の人たちに慕われ頼りにされている…何となく持っている王道の「町のヒーロー」の原型ここにあり、という感じ。そして王道ゆえに何となく敬遠してきたが、ミステリ色の強い秀作ばかりを集めたとあって、読み応え十分。ちょっと抜けているが気のいい子分八五郎とのコンビもよい。2021/02/17

くさてる

15
銭形平次に初挑戦。テンポ良く進んでいくストーリーに分かりやすい謎解き、魅力あるキャラクターと三拍子そろって、とても楽しく読みました。あと、平次が人情派なので、哀しい事件でも後味が良いものが多いのですね。そんな平次が大変な「平次女難」とか楽しかった。平次にずっと惚れていたお町という女性が本当に可愛い。江戸の女の人の気風の良さ、カッコいいなあ。あと、捕物帳はほんとうに言葉が良い。すいすい読める調子の良さが魅力でした。面白かったです。2020/11/11

Urmnaf

7
「あの」銭形平次のミステリ選集といったところで、なんのこっちゃ、という人が多くなってるんだろうなァとしばし遠い眼。自分にとっては、投げ銭で悪を懲らしめる(テレビドラマの)ヒーローである。あまりミステリとは感じてなかったが、読んでみると、なるほどミステリだ。推理小説というより探偵小説の味わいで、ホームズ譚の持つ雰囲気。子分の八が持ち込む事件を平次が名推理で解決と、ほぼ同じフォーマットの中で、事件の様相はそれぞれで、バリエーションに富む(無理筋もあるけど)。平次と八との掛け合いも、愛情あふれる毒舌で楽しい。2019/02/24

bvbo

4
銭形平次のドラマ(北大路欣也)は見たことあるけど、原作は初読み。編者解説にもあるように原作の平次はほとんど投げ銭をしていない!し、人情深いので事件もあまり解決してない…。「小便組貞女」が好きなんだけど、タイトルがアレ…しかしそんな風俗があったのか。 2019/03/20

Inzaghico

4
平次と子分のガラッ八の掛け合いがテンポよくて言葉選びのセンスも抜群だ。何度も笑ってしまった。八「今日は、一番親分の知恵を試しに来たんで」平「お前に試されるような智恵は、横町の隠居に貸してやったから、今日は生憎だ」とか、八が変な声を出したら平次が「手前が塩辛声を張り上げると、お月様が驚いて顔を隠す」とか。ポンポンとキャッチボールのような掛け合いは、江戸ならでは。 2019/02/03

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