内容説明
心理学の最先端を走る研究者が、脳科学、認知科学、コンピューターサイエンスを駆使して人間の避けがたい顔バイアスを分析した決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
47
これは面白い。第一印象が与える効果。信頼、聡明、支配、悪徳など、好むと好まざるとにかかわらず、顔の容姿から受ける第一印象の影響は大きい。ただし、その第一印象は実態とは結びつかない。 多くの顔のモデルを示しながら、微妙な違いがもたらす印象の違いを実証する。眉と口元の角度とハイライトのもたらす効果は大きいことを再認識。2019/02/23
マリリン
29
加工されたり合成された顔の写真が多く登場するが、読みながらその不自然な顔を必然的に見てしまうので、疲労度の多い読書になった。人間は自分の部族に似たものを信用する、という事は、流行の髪型や服を真似る事で仲間に、親近感を与えるという意味もあるのかと思った。選挙等を例にした⑨の次善への判断は興味深い。野球選手だったビリー・ビーンのスカウト採用決定は、見かけではなく統計的エビデンスとういう話も。⑪の人生は顔に痕跡を残す、という言葉は納得。⑬の脳の損傷で顔を認識する能力を失う事があるという事は初めて知った。2019/08/06
Fondsaule
24
★★★★☆ 見た目の顔から受ける印象は絶大なものがある。 この本はその印象がどういう根拠で成り立っているかを明らかにしてくれる。 見た目は大事だけれど、それで人を信用したらいけないということを十分にわからせてもらえた。2019/06/01
Shin
19
自分も含め、人は他人の顔を見て「この人は○○な性格だ」と判断したくなる生き物だ。本書はその「顔を見て、判断する」という行為を徹底的に分析し、〈顔による性格判断〉がいかに非科学的であるかを論証していく。人の顔に対する関心の高さは嬰児にも見られる生得的特徴であるように思われる一方、表情から性格や感情を読み取ったり、他人の顔を正しく見分けたりする能力は驚くほど心許ない。第一印象は抱いてしまい、それによって人は(選挙における投票等の)行為に関する意思決定をしてしまうのだが、それと対象人物の本質とは全く関係がない。2019/05/26
moto
16
周りにいた人の平均顔に近い人には親しみを感じやすい、顔から性格を予測するのは難しい、顔のパーツ位置を少し変えるだけでも印象が大きく変わるなど、見た目からの印象でどれだけの影響があるのか研究結果を交えて説明しており、非常に面白かったです。 人間は赤ちゃんの頃から顔を判別しているという内容も興味深い。 少し分厚くてボリュームがありますが、図や写真が多いので、スラスラ読めます。2019/08/13