内容説明
橋は異なる世界をつなぎ、様々な物語を引き寄せる。奇妙な橋、血みどろの橋、あっと驚くような橋…世界各地の実在の橋、お話の中の橋、描かれた橋などを、興味深くちょっぴり怖いエピソードとともに紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
119
もともと北海道新聞の連載コラムを単行本にしたものをそのなかから選りすぐって文を付け加えたりしたものを文庫化されたようです。読んでいて単行本で読んでいたことを思い出しました。とくにこの表紙がなんともいえず不気味な感じです。橋といっても実在するものやあるいは物語や歌にあるものなども採り上げていていて楽しめます。写真もあります。2019/04/10
sin
62
中野京子…と、云えば「気合い!」いや『怖い絵』、本作は“橋”である。やはり怖い裏話が添えてある。絵画も建造物も人が関わる事柄は“怖い”のだろうか?それはさておき魅力的な逸話が次から次に披露される。人生は怖い?いや、深い!2020/03/01
キムチ
59
筆者は愛読作家のひとり。疲れた時、体調悪い時に最適。見開き2頁に言わんとするものがギュッと詰まっている。どこから読んでも、途中下車でも、出入りが楽。美術で「橋」が出てくるのは意外。セクションが「奇・驚・史・情」無論、筆者の選択だろうが その意図するところが面白い。毎度ながら、筆者のうんちくと温故知新から引き出された世の中の条理との結び付けにもくすっとした。「マーラーとヴェネツィアはよく似合う」なんてのも♪2019/02/22
鷺@みんさー
53
絵画の本じゃなくても、やはり彼女の話は面白い。古今東西の橋にまつわるあれこれで、「怖い」話オンリーではないです。個人的に、鳴門ドイツ橋に感動したなぁ。行き止まりの橋や、水の「中に」ある橋や、橋の上にある水路など、見た目の面白さもさることながら、グリム童話や歴史の事件に材をとった話も面白い。落語の『橋の結婚』も洒落が利いてて面白かった。2019/02/12
けぴ
50
「怖い絵」の作者なので、「怖い橋」という書名にしたのでしょうが、絵画はあまり出てきません。『鳴門ドイツ橋』第一次世界大戦で日本の捕虜になったドイツ人。鳴門の街で普通の生活を送る。居心地よく脱走する者もほとんどいない。木の橋が壊れたとき、ドイツ人が石で橋を造る。それが鳴門ドイツ橋。やがて大戦終了。日本に残るドイツ人も多く、その中に今のユーハイム創業者が!橋に纏わる豆知識が面白く、数話ずつゆっくり読むのがおすすめ。2020/04/29