ワニの本<br> 誰かが私をきらいでも

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ワニの本
誰かが私をきらいでも

  • 著者名:及川眠子【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • ベストセラーズ(2019/01発売)
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  • ISBN:9784584138984

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内容説明

はじめに たとえ今が生きづらくても

いろんなところで目にする、生きづらいって言葉を。
迷ったり悩んだり足掻いたりする以前の、
もっと曖昧な「ここは自分のいる場所ではないんじゃないか」という思い。
そして「生きていてもいいのか」という疑問。
何かが足りなくて、何かがはみ出して、世の中をうまく泳げないでいる。そんな人たちが多い。
私もかつて生きづらさを抱えた人間のひとりだった。
それこそ息をするのも苦しかった時期がある。
人を傷つけ、同時に自分も傷つき、
そして血を流している身をほじくるみたいに私は詞を綴り続けた。
少しずつ傷が癒えても、そのかさぶたをまた爪で剥がし、
とことんまで自分を抉り出す。
そんなことばかり繰り返してきたような気がする。
それが生きづらさと闘う自分で、かつ生きていることの証しだった。
いつからだろう、ちゃんと息ができるようになったのは。
ガラスのように繊細で、ナイフのように尖っていた少女は、
時が経つうちに、生きにくいも生きやすいもクソもねえ、
とにかく自分を生きていくだけなんだよと腹をくくったおばさんに進化した。
おばさんになればなるほど楽になる。
増加する体脂肪と反比例して、心はどんどん軽くなるのだ。
そして、ふと立ち止まって考えたあるときに、
そのしんどさはたぶん「人にきらわれるのが怖い」という気持ちから来ているのではないかと気づいた。
誰だって人に好かれたいし評価されたい。
それ以上にきらわれるのはイヤだ。
かと言って、きらわれずに済むように適当に人に媚びて、
嘘でもいいから口当たりのいい言葉を言って、うまく付き合っていくなんてなかなか難しい。
どんな人にでも「自我」があるから。
でもね。これもまたあるときに気づいた。
自分が100人の人(学校に例えると3クラス分くらい)を全員同じように好きになることができないように、
100人全員に好かれることはできない。
もし誰にもきらわれない人がいるなら、
それはみんなに好かれているということではなくて
「興味を持たれていない」ことなんじゃないだろうか、と。
100人の中には敵がいる。でもきっと味方もいる。
きらわれることの恐怖感から抜け出せたら、
何となくだろうけど、世界は変わり始めると思う。
そのきっかけがどこにあるのか、私自身も具体的にこうだったということを思い出せない。
ただ、いくつものさりげない出来事を重ねて今に至っているのだろう。
人生は決して楽ばかりではない。
だけど言い換えれば、そのしんどさ自体が生きている証拠でもある。
悲しみがあるから喜びの値打ちがわかるように。
人生はいつだってプラスとマイナスの両方でできている。
おばさんになった私は、そう実感している。
大丈夫だよ、生きていていいんだよ。
あの頃の自分にそう言ってあげたいがために、私はこれを記したのかもしれない。
そして、誰かの心の小さなトゲを、たとえひとつでもいい、
抜いてあげることができたなら、それもまた私にとって今まで生きてきた意味だとも思える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みーなんきー

19
以前読んだ及川さんと、18歳年下のトルコ人の旦那さんの話が面白かったので、この本を選びました。人生について、人間関係、結婚、友人、生き甲斐などについて及川さんのご意見は、当たり前すぎて、正統派すぎてお説教を聞いているようで苦痛だったので、パラパラと、チョイスしながら読みました。2019/07/06

chatnoir

16
表紙が可愛いかったので、読んでみた。「どうにもならなくなったら死ねばいい。そう思えたら楽になるよ。」もちろん自殺推奨の本ではない。今現在頑張ってもがいている人へ”頑張れ”と言うのは残酷だって、もう少し息を抜けという意味でらしいけど、数日前、若く前途洋々に見えた俳優さんが自ら人生を終えてしまったので、その一文がとても気になった。こうやって悩んだ時々に開けば聖書のように訓示が受けられるのかも...。2020/07/21

風里

16
成功している人だってそれなりに苦労してるし、地道に努力している。 白馬の王子さまは待っていても来ない。 誰かに嫌われても、その分好きでいてくれる人がいる。 良い意味での開き直りが大切。2019/03/07

10
人付き合いが嫌いで仕事もしなくてはならないからしてるだけの自分は少し気持ちが軽くなった。皆と仲良くすることだったりと俗に言ういい子でいることに疲れていたので自分を肯定してもらったようで嬉しかった。自分と社会の折り合いの付け方を自分の経験以外から知れて良かった。2019/02/15

Riko

5
「やらない後悔よりもやって後悔」は10代の頃は思ってたなあ。今はどうだろう。誰かに嫌われることは怖いと思ってないけど、なにか怖いことは抱えてる気がする。それが何かがいま謎。2019/02/11

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