- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「私の持つすべての力をこの作品に投入した」
原稿用紙約1000枚、著者が全精力を注いだ、過去と現在を大規模に往還する大型論考がついに文庫化!!
宗教改革の知識を欠いて、近代を理解することは出来ない。
なぜなら、宗教改革は近代、民族、国家、ナショナリズムの起源となったからだ。
「この作品は私の著述群の中で特別の意味を持つ。
表題は『宗教改革の物語』で、扱っているのは中世末期のボヘミア(チェコ)の宗教改革者ヤン・フス(1370頃~1415年)である。
ただし、深層においては、私の過去と未来と現在が、すべて盛り込まれた作品だ。
佐藤優という作家が何を考え、何をしようとしているかに関心を持つ読者に是非読んでもらいたい」
時代状況が大きく変化する時こそ、長く頒布されてきた概念・事象がどう生成し、影響力を持つに至ったのかを分析することが、
個人・中間団体・国家それぞれの段階において、事態を打開する糸口を発見することに繋がる。
フスの「教会論」は、長く頒布されてきたものへの問題提起であり、その後、長く頒布されることとなるものとして、近代と現代の連関を見るには最適だ。
私たちは、“愛のリアリティー”を希求し、希求されている存在である。
『宗教改革の物語』が時代の危機を超えるための、読者にとって人生の実用書たる作品になることを願う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
別に仏教徒でもキリスト教徒でもないのですが、けっこう聖書などを時たま読んだりして宗教そのものには興味があります。佐藤さんは神学部を出ておられるのでこの分野にはかなり詳しくわたしは山本七平さんと並んで愛読者です。宗教改革というとルターからみでは少し本を読んだことがあるのですが、フスやウィクリフは名前だけを知っていました。この本を読んでその背景などが少しわかった気がします。また佐藤さんが最初のほうで今後出されるような分野について書かれているのが興味を引きました。2019/10/09
フク
14
kindle ★★★☆☆ * 〈中世が神中心的で、近代が人間中心的であるという二分法は誤りだ。中世、近代のいずれにおいても、神中心的傾向と人間中心的傾向が並存している。〉そらそうだろうが、忘れがちだ。 * 神皇正統記の解説本に期待。2019/07/02
中島直人
8
(図書館)読了。圧倒されてしまい、感想を書くのが難しい。2023/04/30
がんぞ
6
フスは火刑にかけられる際にも神に迫害者への許しを乞うた/Bibleが民衆語に翻訳され印刷される以前、聖職者は全部暗記していて引用を妨げられなかった/哲学的に「唯名論」と「実在論」が、(その頃、三者に分裂していた)ローマ教会が正統性を有するか「真の教会」が実在するかに被せられて/プロテスタントは真の信仰が回復されたとし、カトリック教会はイスラムへの対抗から教皇に非があったといまなお認めない/コミック『Z女戦争』:支配は暴力装置。小銃が発明されて、非力な女人でも騎士を殺す可能性が「改革」をもたらしたとも言える2021/11/22
元よしだ
6
まえがき&あとがきでもボリューミー。。 井上ひさし先生とのやりとり 興味深かったです そして2014年段階での 著者の書きたいものリストも。 このリスト分析します2019/12/01