内容説明
【第8回小説すばる新人賞受賞作】父親がいない複雑な家庭に育った主人公・衿子。結婚を目前にして、衿子は自らの過去に向かい合うことになる。遠い記憶をさかのぼれば、いつも頭に浮かんでくるのは「バーバー」のことだった……。幼い頃、母と姉と一緒に日曜日ごとに通っていた鎌倉の古い家。そこに一人で住んでいた「バーバー」と呼ばれる謎の老人。おしゃれで、どこかの国の王様のように優雅で、とびっきり上等で、いつも幼い自分を気にかけて守ってくれた温かくて優しいバーバー。あの人は一体、何者だったのだろうか? 母の恋人? 私の父親? それとも? しかし、そんな慈しみに満ちた平穏な日々を断ち切る事件が起きる。別れを告げてきた少女期の夢のかけらたちへのレクイエム。いびつでありながらも純粋な家族の形を描く、遠い日の愛と癒しの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるま
10
これまた過去レビューがないですぅ 図書館除籍の頂きの家にあった積読本(我が街図書館臨時閉館中のため)初読作家 かつて子役デビューの経験のある方です 本作は1995年に第8回小説すばる新人賞の受賞作品 主人公の衿子と母親そして姉とバーバー(別に床屋ではありません いないいないバー×2が由来)の心温まるほんわかとした物語 衿子の実の父は、風太郎なのだ 「この世に二つとない、あじや香りのものを大切にしなさい。運命がはこんできたのだから。全ては神の御心なんだよ。」〜引用 その後の4人に幸多かれと望むばかりですね2022/02/04