- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
災厄の数々、生のはかなさ……。人間と、人間が暮らす建物を一つの軸として綴られた、日本中世を代表する随筆。京都郊外の日野に作られた一丈四方の草庵で、何ものにも縛られない生活を見出した鴨長明の息遣いが聞こえる瑞々しい新訳! 和歌十首と、訳者のオリジナルエッセイ付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
157
必ず高校の古典教科書には出てくる有名な中世のエッセイです。詩人の蜂飼耳さんによる現代文が最初にあり、エッセイ、原典、和歌、発心集の一部、解説ともり沢山の情報がこの1冊に収められています。私などは最初の方の文章しかあまり読んだことがなかったのですが、全体を通して読むと短いけれどやはり味がありますね。日本の古典のエッセイの代表的な作品の一冊ですね。2018/10/21
buchipanda3
109
ちくま学芸文庫版に続いて。こちらは現代語訳を通して読み易い構成。逐次、評が挿まれたちくまの方は背景を掴みやすかった。その後にこちらを通読することでより全体の印象を掴めた。訳者の解説にもあったが、改めて読むと長明の人間味が浮かび上がる。それは世の無常の儚さから崇高な達観者となったというより、己を知ることで自分を縛るものから解放し、身軽となった心で本当に大切な好き(数寄)なものを嗜む姿。どこか不器用で空回りしていた彼の生きっぷりは特別ではなく、今の時代でも多くが彼の語る言葉に共鳴する部分を見出すのだと思う。2024/01/06
sin
82
方丈記は知識としては知っていたが、これまで本文に触れることはなく、ましてや僅かに二十数頁の掌編であることなど勿論知らなかった。色即是空、仏教の影響もあるだろうが八百年前に生きた彼も現代の自分たちと同じく、いや時代とは関係なく人間として共通の寂寥感を抱いて確かに存在したと云う証を文面から読み取ることができる。人は何処から来たりて何処へと去るのか、彼の人と同じく自分たちにも解らないが、そう思い至る刹那の命は消え行く運命に在るとしても、今、生きて在る己れ自身は実在なのだと時代を越えた共感を抱く思いがした。2020/10/11
keroppi
79
高校の古典の授業で初めて触れ、その頃から、この無常観に惹かれていた。恥ずかしながら、先月の自分のつぶやきでもこの冒頭を引用してしまっていた。歳を重ねるにつれ、この作品が実感として心にしみてくる。様々な災害は後を絶たず、この読書メーターの中ですら、時は過ぎ、とどまることはない。過ぎ行く時の流れに身を委ねつつ、方丈とは言えないiPhoneに居を構え、ただ、日々触れる本と体験への雑感を書き連ねている今日この頃である。2018/11/07
Apple
76
とても読みやすい現代語訳でした。達観ではなく、葛藤が執筆の背景にあると指摘されており、そう言われてみると徒然草の達観された感じとは少し違った筆致なのかなと感じました。「発心集」のところの「かの男があらましの家は,走り求め,作りみがく煩ひもなし。雨風にも破れず、火災の恐れもなし。なす所はわづかに一紙なれど,心を宿すに不足なし」というところに足るを知ることによる幸福が説かれていて、そういう心持ちを持っていたいものと思いました。2023/03/18
-
- 電子書籍
- 気付けばそこに猫がいる【豪華版】 ペッ…
-
- 電子書籍
- 落札されたキス〈役員室の恋人たちⅠ〉【…
-
- 電子書籍
- 勿論、慰謝料請求いたします!(コミック…
-
- 電子書籍
- 【分冊版】乙姫ダイバー 12 MeDu…
-
- 電子書籍
- ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎…