内容説明
好評を得ている若手研究者によるシリーズ第10巻目、カンブリア紀に出現し、古生代に繁栄した生きている化石といわれている腕足類を取り上げたわが国初の本。将来、ナチュラルサイエンスを目指す初学者にとって刺激的な一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
thinkeroid
2
積み上がる標本とレゴブロック。「おまえ、これ筋肉痕じゃないぞ」先生の一言で物語は急展開をみせる。うなるエンジンカッター、君にも読めるクリノメーター。「解析しちゃえば?…椎野君、学問とは気合だよ」激突する東西の碩学、ラスボスとの対決。その物語はまるで、サルカスの水流のように、渦を巻いて、数値解析モデルのように、収束の大団円へと注ぎ込む。流入か、排出か…いま、あなたはイキイキした化石を目撃する。2013/09/23
isbm
1
★★☆2018/06/20
T.Y.
1
図鑑で見た覚えはあるものの詳細は知らない「腕足動物」の研究。ただし著者が扱うのは多少知名度のあるシャミセンガイではなくチョウチンガイと、何よりも化石種。定説を覆す筋肉復元。この殻の形は、水流を利用して受動的に水を取り入れるための仕掛けだったのか。本書中で指摘される通り、化石生物の復元に「安易なアナロジー」が多いのは事実だけに、化石生物学研究のモデルケースとしても非常に興味深い。2013/10/08
R10
1
筆者の引きの強さも感じたが、それは確かな知識量に基づくものだろう。だってそれがチャンスだと気付かないと掴めないからね。チャンスの神様は前髪しかない、とはよく言ったものだ。2013/08/27
a._v._e
0
★★★☆☆2017/12/15