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内容説明
乗客・乗員の命という重責を背負う機長は、飛行機の操縦、運航をどのようにマネジメントしているのか。コックピット内で副操縦士と何を話し、日ごろの訓練で若者をどう評価し、育てているのか。予測を超えた天候や飛行条件の変化に備え、自動化・AIなど時代の先端技術と向き合い、長時間にわたり正確な判断力を求められる国際線機長。限界状況での仕事ぶりは、われわれの働き方や生活に多くの示唆を与えてくれる。「いま起こっている事象を見て、それに対処するだけの人間は、決してパイロットにはなれない。兆しの段階でそれを捕まえ、それがいかなるものに発展するかを見極め、対処するために様々な対応を行なっておく。そのため、困った事態は何も起こらず、起こった事態はすでに予測済みのものであり、あらかじめ対策がすでに打ってある。これがパイロットの理想の姿である」。未来を変えるために、将来を予測していま行動するプロフェッショナルの哲学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
27
「未来を変えるために、将来を予測していま行動する」力こそ、パイロットの本質である。いま起こっている事象を見て、それに対処するだけの人間は、決してパイロットにはなれない。まだ事実が事実としての実態を持たない、兆しの段階でそれを捕まえ、その兆しがいかなるものに発展するかを見極め、その兆しに対応するために様々な対応を行なっておく。「何となく」の違和感を感じ、自分が想定していることと事実が違う場合には、必ず何かおかしなこと、辻褄の合わないことが起こってくる。気のせいだとか、大したことはないと看過してはならない。2019/03/06
sheemer
15
航空機操縦、特に機長とその養成の課題に特化した本。そういう特化本だが、内容は素人にも面白い。チームビルディングや教育の原則について役立つ学びもある。飛行機という飛ぶ機械の物理学的知識を得る楽しみもあるし、機長になり切って決断について学ぶこともできる。それらが多数の項目に分けて書かれているので、雑学的にも読める。トレーニングの本、教える本でもあり、訓練のしかたは医療業界の臨床研修とも似ている。そういう教え方、教導内容サマリ集のようなところもある。2019/05/24
tolucky1962
13
原則を教える。仕事の優先順序。資質なき人を上げない(危険情報無視,慌てる,慢心,狭い考え,完璧主義,考えない,意見がない。)良い事はすぐ褒める。暗黙知を教える。知識で許容範囲を広げる。予測と対策。安全優先。懸念なら撤退。情報収集し危険に近づかない。指示通り答える。結果確認後に次へ。無駄仕事減らす。自動化妄信せず。感謝。深呼吸で平常心。動揺を見せない。話せる雰囲気作り。穏やかな権威勾配。部下の意見を聞く。叱らない。分かるよう伝える。一生勉強の姿を部下に見せる。よく見せたい自我を抹消。感情制御。知識豊富に。 2019/11/22
雲をみるひと
12
元JAL機長がパイロット育成について論じた本。訓練生から機長までのパイロットの夫々の段階で必要な能力、スキルと育成方法につき具体的に記載されている。航空に関心があれば楽しめる内容。2019/04/30
__k
6
「パイロット」から連想される精神力をずっと欲しいと思っている。 原理原則が個別の事象に対応する力をつくる/間違いを起こす危険な回路を取り去る/A当たり前のことをBばかみたいにCちゃんとやる/中途半端な会話はお互いを分かった気にさせ、安心させてしまう効果しかない/次々に新しいものを付加することが重要なのではない。余分なことをやらなくても済むように減らしていくこと/最適解を求めるのではなく、許容できる最低レベルをクリアする解決策をなるべく短時間で探し出し実行する。重要なのは決断の速度とそれが許容できるかどうか2019/03/30
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