内容説明
シモの世話、食欲低下に緊急搬送――元祖「食堂のおばちゃん」作家、ただいま要介護2の母を老老介護中! DV猫3匹にも振り回されつつ、笑いと愛情たっぷりの“朗朗”介護な毎日を綴った、新感覚“ガス抜き”エッセイ。 〈著者紹介〉山口恵以子(やまぐちえいこ)1958年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。会社勤めのかたわら松竹シナリオ研究所で学び、ドラマの脚本のプロットを多数手掛ける。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら小説の執筆に取り組み、2007年に『邪剣始末』でデビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。14年に食堂を退職して専業作家に。著作に『食堂のおばちゃん』シリーズ(ハルキ文庫)、『食堂メッシタ』(角川春樹事務所)、『毒母ですが、なにか』(新潮社)、『工場のおばちゃん あしたの朝子』(実業之日本社文庫)などがある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ででんでん
99
84歳。ひとり暮し14年目。見た目はかなりのおばあちゃんだが、身の回りのことはすべて自分で行い、父が建てた家をきれいに保ち、畑で野菜を作り、ご近所とのおつきあいも良好。阪神ファンで他のスポーツ観戦(テレビ)も楽しみ、昔の洋画を観たり、本を読んだり。マイペースで楽しそうに暮らしてくれている母。私がその年齢で、母のようにちゃんとやれてるとは思えない。それでも、この状態はちょっとしたことで、あっという間に変化してしまうかもしれない。そんなことを常々考えているので手に取ってみた。山口さんと私ではかなり違うが…。2019/08/23
tetsubun1000mg
38
筆者のエッセイや小説はよく読んでいたので、漫画家・脚本家を目指しながら社員食堂で働いていたことは知っていました。 つい先週「あしたの朝子」を読了したばかりだったので、このエッセイを読むとお母さんがモデルで作った小説だという事が浮かんできます。 声楽家を目指していたが、のどを手術したことで元の声を失ってしまう朝子さん。 その時に知り合った鋏製造会社の社長と結婚して、生まれた3人目の子供さんが恵以子さんの設定のようでした。 その小説を思いだして、明るいお母さんの話に納得してしまいます。2019/02/03
たんぽぽ
32
山口さんは同世代。 3年前に父を亡くし、元気で暮らしてはいるものの衰えを感じずにはいられない母を持つ私にとっては身につまされる内容でした。 いろいろな面で恵まれている山口さんではありますが、お母様への愛情と献身には頭が下がります。 呑んべで食いしん坊だった父が嚥下障害となり、数年間を胃瘻で過ごしたことを考えずにはいられません。 本人はどうして欲しかったのだろう?私たち家族は胃瘻を拒否して即死亡を受け入れることはできませんでした。2019/02/26
ドナルド@灯れ松明の火
32
毒母に続いて介護の本。これは私の抱いていた山口さんのイメージ通りの本音満載のエッセイだった。認知症の進んだ母との同居にこだわり、作家活動と両立されている獅子奮迅の生活が赤裸々に綴られている。介護している人にも凄く参考になると思う。 お薦め2018/12/19
むつこ
30
母親を中心とした家族とのエッセイ集。小説よりもエッセイやTVでの発言のほうが好きな山口さんの母への愛は当人の「マザコン」との表現がピッタリ。こんなふうな娘になりたいな。2019/09/09