内容説明
医師として、遅咲きの小説家として、独自の文学世界を築きあげた藤枝静男。平野謙と本多秋五という刺激を与え続けた友人、そして深く傾倒した師・志賀直哉の存在。志賀直哉に関わる作品を中心に名作「志賀直哉・天皇・中野重治」など、藤枝文学の魅力をすくいとった珠玉の随筆選。文学の師に関わる思いと藤枝文学の底流が、ここにある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
湿原
3
図書館本。藤枝氏についてはその人物すら知らなかったが、志賀直哉に興味を持っていたので読んでみた。志賀直哉は彼の小説に出てくる主人公のように、個性・我の強い人物であったことが、この随筆集から把握できた。志賀直哉を知る上では大変参考になる書籍であると思う。随筆集最後の「志賀直哉・天皇・中野重治」では中野重治について知識がなかったため、読んでいて消化不良であった。しかし志賀氏が天皇制について色々と論評していたのは興味深かった。2018/02/02
和
1
志賀直哉作品は短編をちょっと読んだだけですし藤枝静男作品は全く読んだことがない(と思う)のですが、特に志賀直哉紀行を読んでいたら実際の小説が読みたくなったし解説を読んだら藤枝さんの小説がよみたくなりました。こうして図書館通いは続く…2017/02/05
ウイロウ
1
師である志賀直哉がらみの随筆ばかりを収めた一冊。藤枝静男がなぜ、ここまで志賀に心酔するのか不思議だった。しかし本書を読むと、「この文体の魅力に頭からつかまれて金縛りにあ」(98頁)った尾崎一雄と同じく、「強力な文体」(同)そのものに惹きつけられたことがよくわかる。『暗夜行路』はおろか短篇の代表作さえろくすっぽ読んでいない自分でも、それならば熟読玩味してみようかという気になるほど。もとより藤枝は良い弟子ではあるのだが、白樺派の「学習院」的な部分についてうがった見方もしており、その辺の絶妙なバランスが面白い。2012/09/30
悸村成一
0
国事行為を委任しない(日本国憲法第4条)。ユダヤ・プロトコルに反対する、即時中止を望む。大和朝廷は全員代理だから、本文なりとも、ヒロヒト等と表記すべきだろう。足尾銅山と志賀家の関わり、白樺派各人も同様、は既に究明ずみかどうか。図書館本。2013/08/22
きょ
0
いないページの方が少ないのでは?と思うくらいには志賀直哉濃度の濃い一冊でした。昭和3年夏の時点で白い洋傘とサングラスを装備した浴衣(ジンジンばしょり)の御年44〜5才の志賀氏がドスッドスッと早足で近付いてきたという描写に、志賀氏のキャラが立ちすぎてて読む手が止まりました。表題作の前半のやりとりから中野・徳永両氏の敬意とあと小林多喜二の存在が感じられて頭抱えていました。聖地巡礼もとい志賀直哉紀行をもっと楽しむためには志賀直哉作品を読み進めないといけないし、その時には再読しなくてはと思いました。2025/01/04
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