内容説明
大手銀行支店長の片岡史郎は、合併した信金の本店だった飯田橋支店の立て直しを副頭取から命じられる。信金の猛者たちが巣くう牙城に腹心の部下二人と乗り込んだ片岡は、古参組の抵抗に遭いながらも、垂範率先して徐々に三友イズムを浸透させていく。だが勝手の違う融資先には手を焼き、部下をやる気にさせ融資を決めたビューティーサロンのスキャンダルに巻き込まれる。そして娘の不登校の問題も抱えた片岡に、さらなる難題が!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
171
ドラマ化に伴い、読了。 銀行を題材にした 企業小説だが、池井戸潤とは 違った味わいがある。 片岡支店長にまつわる人間像が 等身大で 堅実な物語である。 あっけない終わり方は ドラマでは どうなるのだろうか? 懸命に働く 企業人への応援歌のような作品だった。2019/04/09
Carlos
51
男性は仕事女性は家事や子供のことを、というのはホント時代錯誤だけど設定としては以前はありがちだね。2022/04/09
どぶねずみ
49
戦場と化したお仕事小説。銀行業務がどれだけ激務であるか、私も一会社員なのでわからなくもない。激務を終えたあとに帰宅してからは放心状態にもなるから、帰宅後にマシンガントークされるのもご勘弁願いたいところだ。しかし、それが子どもとの接触が少ないがために不登校となってしまうという皮肉さが込められている。仕事に情熱を注ぐのも悪くないが、心身ともにバランス良く仕事したいものだ。面白かった。2019/10/19
速読おやじ
46
福山主演のTBS日曜劇場の原作。元銀行員なので池井戸さんの作品も含めて銀行モノはドラマ・小説共にド嵌りする。銀行員なら一度は憧れる「支店長」。合併に伴う旧行出身者間の温度差も小説のネタには必須。外様として旧行旗艦店へ支店長として赴任する主人公の前にトラブルの山。いやはや、自分がこの支店長の立場だったらと思うとゾッとしますわ。これに加えて娘の不登校問題も加わると、生きた心地しません。組織の長たるもの、やはり最後は人と人との信頼関係、そしてやり抜く力なのだろうか、本書を読んで改めて実感。2019/04/29
活字の旅遊人
40
主人公の片岡支店長は、令和の今ならモラハラ上司として銀行だけでなく相当数の企業では問題視されてしまうだろう。単行本が1992年初版だから、現代寄りの働き方や雰囲気が徐々に出てきた頃かな? 真山くらいのバランスがちょうどいい気がする。合併の難しさと融資の面白さを追体験しつつ、家庭問題を織り混ぜて読ませる構成だった。池井戸潤の「半沢直樹」シリーズもそうだけど、トラブルの解決法がいかにもフィクションでエンタメになってしまう。それがあるからこそ小説やドラマになるんだけど、それは僕の作品に明らかに足りないもの。2023/11/08
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