内容説明
篠田洋が本部長を命じられた首都圏特販部は、大量解雇を目的とした新設部署だった。各部署から集められた精鋭50名というのは名ばかりで、不況下の不動産業界で初年度60億という実現不可能な販売計画を副社長の横山は新設部署に押しつけてくる。しかも社内の他部署からは協力どころか、妨害すら受ける始末。社内で無能とされた部下たちとなんとか陣営を整えた篠田は、奇蹟の大逆転をめざし、大口の取引を取り付けるのだが!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
321
初読みの著者。ドラマ化されたことはなんとなく記憶にあったが、半沢直樹の二匹目のドジョウ狙いが見え見えで興味が起きなかった。内容としても、池井戸氏の物とはかなりテイストが異なり、分かりやすいブルイクスルーを伴った爽快な逆転劇にはなっておらず、世知辛い現場環境を、妥当な発想と前向きな気持ちで遣り繰りし、それでもどうにもならない物はどうにもならないという、本当のサラリーマン哀歌。結末の畳み方も雑で、最後の方は、結果の説明だけが続く。日記を振り返りながら進行形式も上手く活かされないまま終わってしまった。2020/12/25
遥かなる想い
192
2019年2Q ドラマの原作。 ドラマは 本作と『銀行支店長』をミックスして 作ったようである。本作の舞台は 不動産会社だが、トーンはドラマとは異なり、やや重い。 組織における大量解雇のたくらみが どう なっていくのか? 不動産不況の中、彼らのたどり着いた先には 何があるのか?やや後味が悪い気がする 終わり方を どう映像化するのか?少し楽しみ。 2019/05/21
げんちゃん
89
江波戸哲夫さん初読。ドラマの方も見ていたのですが私はこっちの方がいいですね〜。とにかく次々に悪いことが立て続けに起こっていて読んでいるこっちも振り回されました。最後がなんとも言えない感じで終わってモヤモヤしたままですが、読んで損はない作品だと思います。難しい感じの話が好きではない人はおすすめできないです。2019/06/25
Carlos
52
ラストスカッとしないのが池井戸作品との違い。2022/09/25
どぶねずみ
50
昭和の裏社会を感じると思ったら、ハードの初版が93年だった。「窓際」と呼ばれる部署が作られていることは昨今の社会問題でもあるが、会社をスリム化するためにはやむを得ないことなのだろうか? 私の周囲にも実際に辞めて欲しいと思う人はたくさんいるから一概に批判もできないが、スパイ行為こそ心底汚い人間のすることだと頭がクラクラしてきた。こんな人間もいつの時代にもいるもんだ。腹が立つほど要領が良すぎてズルい奴。江波戸さんの作品って、読後モヤモヤが多い。2019/10/09
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