内容説明
著書が日本で異例の売れ行きを見せている“哲学界の新星”、マルクス・ガブリエル。2018年6月の来日時の滞在記録をまとめて大反響となったNHK番組「欲望の時代の哲学」を待望の書籍化。あのガブリエルが、誰にでも分かる言葉で「戦後史」から「日本」までを語りつくす! 世界的ロボット工学者・石黒浩氏とのスリリングな対論も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろき@巨人の肩
110
テレビ番組の書籍版のため体系的な理解は難しかったが、知的好奇心が刺激された。近代哲学は発展する中で、資本主義が哲学を取り込んでいく。構造主義の「無意識は構造の影響を受ける」という本質は、大量消費社会の中で、消費に対する「欲望」として人々を束縛。ソーシャルメディアによる情報の洪水が人々を無力感に陥れ、消費行動の支配を目論む。このシンギュラリティが東京で既に起こっている。ガブリエル氏の柔らかな戦い方が実存主義への回帰。実存は本質に先立つ。人間とは「道徳」により動物にならないようにしている動物。肝に銘じたい。2022/07/28
はっせー
102
かなりためになった! マルクスガブリエルさんのことはなんとなく知っていたが、こうしたかたちで思想や考え方を知れた。内容はマルクスガブリエルさんが日本に来て、様々な所に行き、そこで考えたことを丸山さんがまとめた形になっている。実存主義から構造主義そしてポストコロニズムまでの流れを説明して、メリット デメリットを教えてくれる。その流れで出てくるのが新実存主義である。新実存主義についてもっと深く知りたくなったので、マルクスガブリエルさんの本を読みたいと思った!2019/06/11
さきん
38
実存主義、構造主義、ポスト構造主義のあとに、新実存主義を提唱している著者。ユニコーンを例に真実、事実の違い、構造にとらわれない確かな実存の存在を訴えている。人間の定義をしっかり持っているドイツ哲学と人間の定義にこだわらない日本のアンドロイド研究者との対談は面白かった。2020/01/05
ミッキー・ダック
38
注目の世界的哲学者を取材したTV番組の書籍化。日本の印象、戦後哲学史講座、石黒浩氏との対談を所収。◆近代に対峙して戦後生まれたポストモダン思想は、絶対を否定するが故に、「道徳観は文化毎に異なり普遍的正義などない」といった悪しき相対主義を生んだ。だが彼は、「子どもを虐待するべきでない」といった文化を超えた普遍的道徳があると主張する。◆彼の新実在論を理解するのは難しいが、資本主義や民主主義の危機、シンギュラリティ、インターネット、ロボット等、現代の諸問題と格闘し理性的に解釈しようとする姿は魅力的である。 2019/05/02
大阪のきんちゃん2
21
5年ほど前でしたか?「哲学界のロックスター!」と言われてビジネス誌等にも盛んに採り上げられ、NHK等で番組が組まれて観たりしてました。 著書「なぜ世界は存在しないのか」も読んでみましたが難しかったです。 この本はNHKでの番組をまとめたもので、解りやすくなっていました。 ロボット工学の石黒先生との対談が非常に面白い!相容れないところが際立って論点くっきり! 丸山先生の最後のまとめも理解を助ける上で良かったです。 パンデミックに対する全体主義的な世界の動き(あ、世界はないんだった!?)はどう捉えられたのか?2023/04/20
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