ハヤカワ文庫SF<br> セミオーシス

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ハヤカワ文庫SF
セミオーシス

  • ISBN:9784150122140

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内容説明

2060年代、人類の一部は惑星パックスに植民を開始した。だが植物学者のオクタビオは、この星の植物が知性を持ち人類を敵対的だと判断すると排除されてしまうことを知った。人間が生き残るためには、植物との意思疎通と共生が不可欠なのだ──。7世代100年以上にわたる植民コロニーの盛衰と、植物との初めての接触(ファースト・コンタクト)の物語。解説収録/七瀬由惟

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

44
はじめは『トリフィド』のようなサバイバルSFを想像して、読み進めるにつれて『地球の長い午後』的なディストピアSFを期待し、後半以降を読んでそのどちらでもないことが分かって少しガッカリという小説。「これまで読んだことがない」と言えばその通りなのだけれど、そこまで変わったところがあるとも思えないファーストコンタクトもの。ジャンルとしてガッカリしただけで物語としては結構面白かった。特にスティーブランドの戦略的な思考は斬新で良いなあ。ここだけは目新しい感じがしたかもしれない。万人向けソフトSF。2019/01/11

kurupira

16
シム系の開拓ゲームしているのをずっと眺めている感覚を持った。SF要素の中でもソラリス的な印象を持ったが、植物とコミュニケーションが成立するには、もっと厳しい条件、、そもそも植物に個性・自我があるのかとか、考えるプロセスの根本が異なるのではとか、そんな事を読後に思ったが、読んでる時はストーリー展開が目まぐるし展開し一気に読めました。2019/02/22

ヴィオラ

15
最初は展開が急すぎてバランス悪いなぁと思ってたけど、1冊でここまで描こうと思ったら、こういうリズムになるしかないか…と納得。個人的には、気になる所がバッサリ切られていっちゃう感じがして寂しかったですが…。特に。異なる知性間のコミュニケーションが簡単に成立し過ぎちゃう所がね…いや、作者の主眼が「コミュニケーションがとれた後」のアレコレっぽいので仕方ないかもですが…。ただ、続編ありきで展開するよりは、一冊でまとめてくれたことは評価して良いかも。章ごとに色々な味付けがしてあって、飽きずに楽しく読めました。2019/01/26

スターライト

15
「新世代のル・グィン」「21世紀の『地球の長い午後』との帯の惹句にあおられて読んでみた。第一長篇でこのヴォリュームとアイデアは素直に拍手を送りたい。太陽系外に新天地を求めて旅立った一行が、異星で苦難を乗り越えながらも定住していく。7世代100年に及ぶ年代記が、それぞれの時代の中心となった人物の視点から集団内の協調と不和、その惑星の動植物らとの接触が語られる。コミュニケーション手段に「におい」を使うのは斬新。できればレムばりにスティーブランドとも意思疎通不可能な物語だったら面白かった気もするが、十分面白い。2019/01/17

アカツキ

14
戦争と環境汚染に嫌気がさして地球を飛び出した数十人の人々は緑生い茂る惑星パックスに入植。しかし、不時着で重要機器や物資が失われてサバイバル生活が始まる。そんな中、ついこの間まで無毒だった実を食べて死亡する事故が起き、植物学者オクタボは植物に知性があるのではと…。7世代100年にわたる知的植物生命体と人間の攻防と共存を書いたSF小説。世代によって味わいの異なる物語が展開される。知能の高い竹と交流を始める第三世代ヒギンズ、竹と協力して殺人事件を解決しようとする第四世代タチアナの物語が好き。2024/10/17

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